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札幌の歴史を歩いて探訪!てくてく洋二〜創成川東編

2018年7月5日(木)

札幌の歴史を歩いて探訪!てくてく洋二〜創成川東編

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北海道の知られざる歴史を、木村洋二アナウンサーと専門家が歩いて辿るコーナー「てくてく洋二」。今回は「グローバル!産業革命は創成川東から」をテーマに、会員数700人以上を誇る札幌建築鑑賞会の代表・杉浦正人さんと共に探訪しました。

グローバル!産業革命は創成川東から

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創成川の東側には、明治時代から続く札幌の台所「二条市場」があります。現在も約60の鮮魚店・青果店が軒を連ねています。そこから北に進むと「中央バス札幌ターミナル」があります。言わばここは“北の上野駅”。地方から札幌へ、札幌から地方へ、数々の旅立ちが生まれました。
さらに進むと1904年に建てられた「札幌教会」があります。札幌軟石を使った建物で、国の登録有形文化財に指定されています。近くには1916年建築の「カトリック北一条教会」もあり、明治時代に多くの宣教師が札幌でキリスト教を広めた歴史が垣間見えます。
産業革命のシンボル「煙突」
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そもそも創成川東の歴史は、明治初期に開拓使によって工業局が作られたことに始まります。元々この地区は豊平川の本流が流れていた場所であり、水の恵みが豊かだったことから、作業場や製造所など20もの官営工場が設けられ、産業革命の芽生えが起こりました。“職人のまち”となった創成川東は、昭和初期には一大工場地帯へと発展。最先端技術が集積したこの場所は北海道発展の礎となりました。
その一つのシンボルが、今なお残る「開拓使麦酒醸造所」の煙突です。明治時代、ビールを製造することは国のステータスであり、日本の近代化の象徴でもありました。
今も現役の町工場
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今も現役で稼働している町工場を訪ねました。高田機械製作所の高田和幸さんは「この辺にはサッポロビールの第一工場や第二工場があり、幼少時代はビールの香りが漂っていたのを覚えている」と教えてくれました。
また、「春木ビニール工業」の代表・春木紀明さんも興味深い話を聞かせてくれました。こちらは今の業種になる前、昭和の中頃までは「春木洋樽工業」として“桶屋”をやっていたそうです。サッポロビールなどに納める樽を製造していました。創成川東は「サッポロビールがあって成り立ったマチ」と春木さんは話します。
さらに「斉藤ブラシ製作所」ではビールやラムネの瓶を洗うためのブラシを見せていただきました。代表の齋藤健二さんは、当時開館したばかりの「中央体育館」での思い出話なども聞かせてくれました。
市民の憩いの場「中央体育館」
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中央体育館は、北1条東2丁目にあった「札幌市立体育所」の時代から、工場で働く職人さんやその家族の憩いの場でした。現在と同じように、武道や球技など様々なスポーツを楽しむことができました。
中央体育館の前を走る通りは“武道具通り”とも呼ばれていました。今年で創業30年目の「東京武道具店」は近年、外国人の来客が増えてグローバル化しています。お話を聞いたお店の方も剣道四段の腕前で、中央体育館で行われている朝稽古に参加しているそうです。

札幌で剣道の朝稽古を行なって119年、毎週火曜と木曜に行われている「火木剣友会」にお邪魔すると、朝6時前にも関わらず、60人程の参加者の熱気に包まれていました。朝稽古をしてから仕事に向かうという人も多くいました。開館から52年間、市民の憩いの場として数々の思い出を彩ってきた「中央体育館」は、老朽化のため来春に閉館し、移転します。
最後に杉浦さんは「一つの建物が役目を終えて街が変わっていく。それもまた札幌の姿」と話してくれました。
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