どさんこワイド179

北海道100年物語〜伝統の技で世界に挑む染物店

2019年7月24日(水)

北海道100年物語〜伝統の技で世界に挑む染物店

  • 北海道100年物語〜伝統の技で世界に挑む染物店
北海道で長年愛されるモノやお店の魅力に迫る企画「北海道100年物語」。今回は伝統の技で世界に挑む染物店をご紹介しました。

水野染工場

【住所】旭川市大雪通3丁目
【電話番号】0166-29-0000
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1907年(明治40年)創業、旭川にある染物店です。主に手掛けているのが印染(しるしぞめ)。法被や半纏、旗、のれん等に家紋や屋号などの“しるし”を入れた染物のことです。
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工場の中に案内していただくと、大漁旗の引染(ひきぞめ)の、のり置き作業中でした。図案の白く残したいところにのりをおいて染料が入るのを防ぎます。のりを置いたら丸1日乾燥させて染色します。
引染は職人が一つ一つハケで染める伝統技法です。裏からみても分かるようにしっかり染めますが、ムラにならないようにするのが難しいそうです。
染めの作業が終わったら、丁寧に水で洗います。旭川は大雪山連峰の豊かな伏流水に恵まれた場所で、工場では創業以来その伏流水を使っています。
美しく仕上げられた大漁旗には100年以上引き継がれてきた技が息づいています。
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四代目社長の水野弘敏さんに100年以上前に旭川で染物店をはじめたきっかけを伺いました。

水野さん: 北海道の創業が明治40年。初代・竹治郎が富山で染物屋をやっていたのですが、旭川に北前船で移住した方が多かったので、その方々に誘われて来ました。旭川は大雪山連峰の伏流水があり、とても水がきれいな地なので染めに適しています。

現在、水野染工場の従業員の平均年齢は35歳、若い力が多いです。漁師の友達に大漁旗を作りたい等それぞれの思いを胸に働いています。頼もしい姿ですが、その陰には染物店の歴史を守っていくための様々な努力があります。

水野さん: 戦前には全国で1万4000社あった同業者が戦後1400社、現在約300社。昔からのものが素晴らしいとしても、お客さんに認めてもらわなければ価値がない。
現状を守ろうとすると逆に衰退を意味すると思っているので、市場を変えることであったり商品を変えること等、お客さんを広げる努力が必要。そういうことはやっていますね。

「このままではいけない」と思った水野社長は、2004年に外国人観光客の多い東京・浅草に手ぬぐいと半纏のお店「染の安坊(東京都台東区浅草1-21)」をオープンしました。今の生活にも合った使い方を提案し、さらに海外展開も行っています。
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上野ファーム

【住所】旭川市永山町16丁目
【電話番号】0166-47-8741
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旭川ならではの商品開発も進めています。美しい庭園を散策できる観光ガーデン「上野ファーム」とガーデンで販売する商品を制作中で、筒状で首に巻きやすい「ガーゼスヌード」を提案していました。上野ファームのガーデナー・上野砂由紀さんは「違う企業同士で、意見を組み合わせてできるというのは刺激になります。お互いに出し合えるアイデアで夢が広がる企画だと思います。」と笑顔で話していました。

伝統を受け継ぐだけでなく若い方々が新しい物を作り出している。
水野染工場の次の夢は、旭川に染物のテーマパークを作ることです。植物の藍を育てて、染め物体験ができる場所にしたいと考えているそうです。
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