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あいさつも、防災だった。  北本 隆雄

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いい天気ですねえ あぁ おひさしぶりです 元気でしたか こんにちは

その女性は、すれ違う人がいると必ずあいさつをします。
ほんのちょっと立ち止まって
ひとことかけたら、またすぐ動き出して。

宮城県南三陸町を東日本大震災の
語り部の方と、歩きました。

その方のあいさつの理由には、震災でのある出来事がありました。

女性は大津波警報が出た中でも
ほかの多くの人のように『*正常性バイアス』によって
「きっと、私は逃げなくても大丈夫だ」と思い込んでいました。

沿岸近くの家にとどまっていた女性を助けたのは
緊迫感にあふれた聞き覚えのある野太い声でした。

「逃げろっ!津波が来る!」

外から叫んだのは、いつも親しくしている近所の方。
ハッとした女性は、すぐに家を出て高台へと駆け上がりました。

「あの、ひとことがなかったら今ここにはいない。
 いざとなった時、頼りになるのはご近所さん。」

助け合える関係になるためには
まず「自分がここに住んでいる」ことを知らせないといけない。
すべては、普段のあいさつからはじまると思ったそうです。

すれ違う人に一緒にあいさつをしながら
1時間ほど歩き、着いた海岸。

晴れ渡った空と、穏やかな海の
それぞれの青が、とてもきれいでした。
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『*正常性バイアス』・・・
身の回りで異常なことが起きたときに「これは正常の範囲内だから大丈夫」と思い込んで、心を平静に保とうとすることです。そもそもは、生活の変化や新しい出来事に過剰に反応して心が疲れないために備わっている大切な脳のはたらきです。ただ、災害時には命の危険が迫っているにもかかわらず、避難が遅れることにつながります。昨年の西日本豪雨や今年の台風19号でも「正常性バイアス」により避難しなかった方が多くいたと指摘されています。

普段から、どんな被害が身の回りで起こりうるかを知り、その時にどう行動するかまで具体的に想像しておくと、災害時に正しい判断ができ「正常性バイアス」を突破できると言われています。

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