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惚れてまうやろー!  高山 幸代

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長いテレビ収録の合間のお昼休憩で、飲み物を買おうと自動販売機コーナーに足を運んだ時のこと。紙コップタイプの自販機でカフェオレのボタンを押し、コーヒーがドリップされるのを待っていた。「お疲れ様でーす」、隣の自販機に1人の男性スタッフがやってきて、何か購入している。…とその時、「あっ、当たりました!」とその男性は私の肩をたたいた。ふと見ると、ピピピピ…という音とともに、彼が購入した自販機のボタンが点滅している。そう、数字が4つ並んで、『もう1本どうぞ!』という状態。好きなドリンクのボタンを押せば、それが無料で出てくるという、素早く何をもらうか決断しなければならない瞬間だ。私なら迷わず一番高額なトクホのお茶を選ぶだろう。かつて私が当った時、「えー!どうしよどうしよ…」と焦って、買ったものと同じ普通のお茶のボタンを押してしまい、後で冷静に考えて悔しい思いをした経験があるからだ。「次は絶対失敗しないぞ」と心に決めているのだが、そういうあさましいことを考えている人間のところには、当たりは巡って来ないものだ。さて、その男性スタッフはその点滅しているボタンを指さして、「どうぞ、どうぞ」と、なんと私に選ぶように促してきた。一緒に仕事をしたことはなく、挨拶は交わすものの、気心知れたという間柄ではない。まして、私より遥かに、圧倒的に、若い。間違っても奢ってもらうわけにはいかない。「いやいやいやいや…」、私が高速で手を横に振り、丁重にお断りをすると、彼はおもむろに1つのボタンを押した。選んだのは、300ml入りの小さなペットボトルのお茶。出てきたそれを取り上げると、「どうぞ!」と私に手渡した。「せっかく当たったのに…」、私がなおも遠慮していると、「こういうものは分け合わないと、運が逃げて行きますから!!」。マスク越しでも爽やかだとわかる笑顔を残して、彼は颯爽とその場を去った。

「惚れてまうやろーーーーー!!!!!」

完璧、すべてが完璧すぎる。振る舞い・選択・言葉。
未だかつて、こんな予期せぬことが起こった、しかも急を要する状態で、こんな完璧な行動ができる人に、私は出会ったことがあっただろうか。
『小さいお茶』。これがたまらなく良いのだ。男性のみなさんお分かり頂けているだろうか!?欲がなく控えめであることに加え、年甲斐もなく恥ずかしいのを承知の上であえて言わせて頂くと…、とても『女の子扱い』してもらっている感じがするのだ。

その日は、そのお茶をゆっくりちびちび時間をかけて、柄にもなく『女の子らしく』飲んだ。
私も、周りの人をそんなステキな気持ちにさせることができる人になりたい。自分のあさましさが恥ずかしい。とりあえず、次当たったら高額商品を…という考えは、やめることにした。

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