一般家庭で月1000円程度…原発再稼働後に電気料金値下げへ 周辺自治体は再稼働の必要性訴える
北海道電力は10月31日の会見で、泊原発3号機の再稼働後に、家庭向けの電気料金をおよそ11パーセント引き下げるとする試算を発表しました。
江別市に住む荒山さんです。
夫と息子の3人暮らしで、ネコも2匹飼っています。
厳しい暑さとなった2025年の夏。
電気料金は2万円を超えました。
(荒山美保さん)「8月が2万5千円。エアコンですね。ネコがいるので日中はつけっぱなし」
こうした中、北電は泊原発3号機を再稼働させたあとの電気料金の試算を発表しました。
(北電 齋藤晋社長)「規制料金ではご家庭向け電気料金で現在の料金と比較して11パーセント程度の値下げ」
北電によりますと、再稼働後は家庭向けの電気料金がおよそ11パーセントの値下げとなり、一般家庭のモデルケースでは月に1000円程度安くなる見通しです。
企業向けの値下げ幅はおよそ7パーセントとなります。
(荒山美保さん)「たとえば2万5千円だったら約2500円(下がる)。大きいですね。世の中物価が上がっていて、コーヒー代も倍になったり、給料は上がっていないし、安全対策をしっかりしてくれるのであれば少しでも安いほうが助かります」
7月に国の審査に合格した泊原発3号機。
再稼働には事実上、道や周辺4町村の「同意」が必要となります。
再稼働について鈴木知事はー
(鈴木知事)「道民のみなさまの声もたくさんあります。料金の話も経たうえで説明会をやっていく。いろいろな声が出ると思う。ふまえて総合的に判断していきたい」
原発が立地する泊村では10月31日に新たな動きがー
(青柳記者)「まもなく臨時議会が始まります。議題は泊原発の早期再稼働についての陳情です」
地元の漁協や経済団体は、電気料金の値下げや地域の活性化などにつながるとして、原発の早期再稼働を求める陳情を提出。
31日の臨時議会で諮られました。
(議長)「採択に賛成の議員は起立を願います。起立総数です」
全会一致で採択。
議会終了後には議長らが陳情について村長に報告しました。
(泊村 高橋鉄徳村長)「住民の代表である議会の判断は大変重く受け止めております。村の考え方をしかるべき時に議会にお伝えしたいと思っております」
となりマチ・共和町の成田慎一町長も再稼働の必要性を訴えます。
(共和町 成田慎一町長)「原子力は北海道のエネルギーを支えてきたと思っている。共和町でも会社や農家や個人も含めて、高くなった電気料金が安くなって、物価高ですから少しでも助けになれば」
「再稼働」を条件とした電気料金の値下げにマチの人はー
(札幌市民)「すべて高くなりましたから苦しいですね、私たちは。少しでも安くなれば助かります」
(札幌市民)「難しいところですよね。原発が関わって安くなるというのがあるので心境としては複雑」
北電が27年早期を目指す泊3号機の再稼働。
電気料金の安定だけでなく、万全な安全対策についても丁寧な説明が求められています。