タマゴ価格への影響は…「ウイルス流行は春先まで」鳥インフルエンザでニワトリ殺処分 道内に広がる
北海道恵庭市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザの陽性が確認され、23万羽を超えるニワトリが殺処分されています。
タマゴの価格への影響はあるのでしょうか。
(松田カメラマン)「いま白い防具服を着た作業員が鶏舎の中に入っていきます」
恵庭市の養鶏場では11月1日に死んだニワトリが見つかり、遺伝子検査をしたところ、高病原性鳥インフルエンザの陽性と確認されました。
11月7日までに23万羽を超えるニワトリが殺処分される見込みです。
感染拡大のきっかけとなっているのが渡り鳥です。
秋と春に北海道を通過しますが、この間、カラスなど在来の野鳥にウイルスが広がり、結果として養鶏場周辺での感染リスクが高まります。
感染1例目となった白老と今回の恵庭の殺処分数は、道内全体のおよそ12パーセントに当たる69万羽となる見込みです。
いずれも採卵用のニワトリでした。
この事態に北海道大学の迫田教授はー
(北海道大学獣医学研究院 迫田義博教授)「全ての行政対応が終わってからある程度の鶏を入れるので、本当にタマゴが皆さんの食卓に並ぶまでには半年くらいかかる。業界全体としては大きなショックだと思う」
鳥インフルエンザの影響として記憶に新しいのは2023年のエッグショック。
全国的な流行と道内でおよそ120万羽の殺処分も重なり、タマゴが手に入りにくい事態に発展しました。
今回の相次ぐ殺処分で、タマゴの価格に影響はあるのでしょうか。
(石田記者)「東区のスーパーです。棚には十分なほどのタマゴが並んでいます」
こちらのスーパーによると、現在は通常の数量であればメーカーからの仕入れ制限はないということです。
(瓜谷健一店長)「いまのところ値段も変わらず数も減少しないので安心に買える」
しかし今後、全国で感染が拡大すれば価格への影響も懸念されます。
(北海道大学獣医学研究院 迫田義博教授)「野鳥によるウイルスの流行はこのあと春先までずっと続くと思われる。(春の)山場をしっかりと通り越せれば大きなエッグショックには繋がらないと思う」
鳥インフルエンザという見えないウイルスとの戦い。
流通量を減らさないためにも、養鶏場関係者の苦悩は続きそうです。