野口健さんがトークショー メガソーラー問題を考える「釧路の揺れは全国の揺れに…」懸念示す 北海道
世界的な登山家の野口健さんが、北海道・釧路湿原のメガソーラーについて考えるトークショーを開催し、「釧路での問題を解決できなければ今後、全国でも止められない」と強い危機感を訴えました。
(登山家 野口健さん)「釧路の揺れは全国の揺れにつながると思う」
こう話すのは、登山家の野口健さんです。
「自然と人の共存」をテーマに10月23日、猛禽類の専門家・齊藤慶輔さんとトークショーを開きました。
話題の中心は、釧路市内で数多く建設されているメガソーラー。
特に釧路市北斗で進められている建設では、森林法違反など3つの法令違反が明らかとなり、工事が中断されています。
また、希少生物への影響についても調査が不十分とされ、市と協議が続いている状況です。
事業者の日本エコロジーは、再調査などをして工事をできるだけ早く再開したい意向を示しています。
メガソーラーの規制に対して、野口さんは現状のルールが甘いと指摘します。
(登山家 野口健さん)「ちゃんとしたルールが明確にあって、破った場合、業者は参加できないとか」
(猛禽類医学研究所 齊藤慶輔さん)「ちゃんとやっている事業者が自ら発信してくれれば自浄にもなる。そうしなければ風評被害を受けるのではないか」
齋藤さんは、釧路市北斗でのメガソーラー事業については、問題が大きくなる前から野生生物保護の観点で反対し続けています。
10月20日には鶴間市長を訪問し、独自に調査したというオジロワシやタンチョウなど希少生物の生息状況の報告書を手渡しました。
(猛禽類医学研究所 齊藤慶輔さん)「世の中を動かすのは民意なんですよ」
(登山家 野口健さん)「(問題を)伝え続けて、国が動いて、新たな法整備に動いてもらって」
2人の話を聞いた人たちはー
(参加者)「人間がだんだんと自然界を侵食しているので、その部分をどのように保護して共存していくか」
(参加者)「元々釧路湿原が好きで、改めて自分ができることをやらないといけないと思った」
野口さんはもっと多くの人に危機感を持ってほしいと訴えます。
(登山家 野口健さん)「メガソーラーの問題は釧路だけではなく全国各地で起きている。この釧路湿原のメガソーラーを止めることができなければ、全国どこでも何をやっても止められなくなる。ですからそういう前例をつくりたくない」
メガソーラー問題について、一刻も早い規制を求める野口さん。
国の法整備については待ったなしの状況です。