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「本当に何があったのか知りたい」女子中学生いじめ問題 母親が語った娘の変化と苦しみ

運動会で元気によさこいを披露する女の子。

当時、小学4年生だった廣瀬爽彩(ひろせさあや)さんです。

何事にも一生懸命で、将来は「検察官になりたい」と話していました。

しかし5年後、爽彩さんは14歳という若さでこの世を去ったのです。

(爽彩さんの母親)「急に泣いたり、叫んでしまったり、震えたり、過呼吸が起きたり、吐いちゃったりとか。それが本当に1日の間に10回以上とか、ひどいときには20回以上おきるということが続いていた」

亡くなる前の様子についてこう話すのは、爽彩さんの母親です。

爽彩さんを変えたという壮絶ないじめについて、カメラの前で初めて語りました。

(爽彩さんの母親)「いじめは本当になんだろう…。人を壊しちゃうこともあるんだなっていうのは、見てずっと目で見て思っていました」

もともと、まじめでおとなしい性格だったという爽彩さん。

(爽彩さんの母親)「花火を一緒に見に行ったりとかしたんですけど、爽彩は大きな音が苦手で、耳に手を当てながらきれいだねと言って見ていたのが思い出」

中学生になったら生徒会長になりたいと、入学を心待ちにしていました。しかし。

(爽彩さんの母親)「(中学入学後の)4月の中頃あたりから、落ち込んでいたり、おなかが痛いから学校にいきたくないと言ったり、あとはごめんなさいとずっと言っているような声がきこえたりだとか、何か変だなって」

「娘はいじめられているのではないか—」。何度も学校に相談したといいますが。

(爽彩さんの母親)「仲のいい友達ですと、いじめのようなことはありませんという話でした。毎回」

そしてついに、疑念が確信に変わる出来事が起きました。

爽彩さんが多くの生徒の目の前で市内の川に飛びこみ、自殺しようとしたというのです。

(爽彩さんの母親)「娘が川に入ったときは、実は誰も助けにいくような様子はなくて、みんな笑っていたし、携帯を向けている子もいたという話でした。娘の携帯をみてみたら、いじめと思われる内容のものがすごくたくさん出てきて。嫌がっているLINEもたくさん残っていたり、助けてくださいとかいう相談のやりとりが残されたりはしていました」

これは爽彩さんが実際に知人へ送ったメッセージです。

「前の学校でいじめられてて」
「自殺未遂して」
「学校怖くて…」

さらに、旭川市で子どもの相談を受けるボランティアをしている村岡篤子さんも、爽彩さんとみられる女の子から相談を受けていました。

(子ども相談室きらきら星 村岡篤子さん)
「死にたいって言ってしばらく泣いていたので、気持ちがおさまるまで待って。もう一回電話下さいねって言ったんですけど、それ一回きりだった」

SOSを出していた、爽彩さん。

母親も学校に相談を続け、教頭が対応するようになりました。

しかしある日、口をついて出た言葉は。

(爽彩さんの母親)「「加害者にも未来があるんです」と。「いじめではありません、悪気があったわけではないですから」という説明を受けました」

当時北海道の教育委員会は「いじめの疑いがある」として、旭川市の教育委員会に対応するよう指導。

しかし、旭川市教委がいじめを認定することはありませんでした。

取材に対し旭川市教委は「爽彩さんについて指導を受けた認識はなかった」としています。

爽彩さんは転校しましたが、その後もいじめの記憶が消えることはありませんでした。

(爽彩さんの母親)「自分だけ過去に置いていかれているって。本当は記憶を消してあげたかった、でもできないから…。時間が解決してくれるものなのか、少しでも、ちょっとずつでも本当によくなってほしいなとただそれだけでした」

心の傷が癒えることはないままことし2月、最低気温氷点下10.3℃の厳しい寒さの中、爽彩さんは姿を消しました。

親族やボランティアによる捜索が続けられましたが、1か月後、市内の公園で変わり果てた姿の爽彩さんが見つかったのです。

関係者によると、死因は低体温症でした。

(爽彩さんの母親)「すごく全身凍っていて髪の毛もまっしろに凍っていて、ただ、爽彩だなって、娘だなって思って、もうそのときは涙も出なくてただ呆然として」

旭川市教育委員会では、いじめの疑いがあるとして「重大事態」に認定。

第三者委員会は調査を進めていますが、結果の公表のめどは立っていません。

(爽彩さんの母親)「本当に何があったのかを知りたいということが一番。いじめで命がなくなることがあるということを、子どもたちも含めて分かってほしいなって思います」

爽彩さんが遺体で発見されてから半年。真相が分からないまま、遺族の時間は止まっています。

スタジオ 宮永キャスター)
これまでの経緯を振り返ります。

2019年4月、廣瀬爽彩さんは旭川市内の中学校に入学。
しかし入学直後から様子が変わり、6月には川に飛び込むという痛ましい出来事がありました。

母親は学校に何度も相談をしていましたが、いじめの認定には至りませんでした。

道教委は市教委に対応するよう指導していましたが、市教委がいじめを認定することはありませんでした。

その後爽彩さんは別の中学校に転校しましたが、学校に通うことができなくなりました。

そしてことし2月、自宅から姿を消し、3月に市内の公園で遺体で発見されました。

爽彩さんが亡くなったあと、旭川市教育委員会がいじめの疑いがある「重大事態」に認定。第三者委員会による調査が行われています。

しかし、調査結果の公表のめどは立っていないということです。

いじめのSOSが出されながらなぜ命を救えなかったのか?
廣瀬爽彩さんの母親はこの問題について、情報提供を呼びかけています。
9/27(月)「どさんこワイド179」  11/2(火)13:22更新

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