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中学入学直後の急変 受け止めなくてはならなかった彼女と家族のSOS 学校と行政の対応経緯

廣瀬爽彩(ひろせさあや)さんが遺体で見つかってから1年以上が経ち、初めて明らかにされたいじめの詳細。

繰り返されるSOSに、学校や市教委はどう向き合ってきたのか。

これまでの経緯を振り返ります。

(廣瀬さんの母親)「急に泣いたり、叫んでしまったり、震えたり、過呼吸が起きたり、吐いたり。

それが本当に1日に10回以上とか、ひどいときには20回以上ってことが続いた」

亡くなる前の様子について話すのは、廣瀬さんの母親です。

(廣瀬さんの母親)「いじめは本当になんだろう。人を壊しちゃうこともあるんだなっていうのは、見てずっと思ってました」

運動会で元気によさこいを披露する女の子。

当時、小学4年生の廣瀬さんです。

何事にも一生懸命な性格で、将来は検察官になりたいと話していました。

2019年の4月、希望を胸に中学校に入学しましたが、その直後から体の不調を訴え、学校に行きたがらないなど様子が変わっていったといいます。

娘はいじめられているのではないか。

母親はすぐに学校に相談しました。

しかし。

(廣瀬さんの母親)「仲のいい友達ですと、いじめはありませんという話でした。毎回」

そして、疑念が確信に変わる出来事が起きました。

廣瀬さんが多くの生徒の目の前で市内の川に飛びこみ、自殺しようとしたのです。

母親はその後も学校に相談を繰り返しましたが、ある日対応していた教頭の口をついて出た言葉は。

(廣瀬さんの母親)「加害者にも未来があるんですと。いじめではありません、悪気があったわけではないですから。という説明を受けました」

別の学校に転校しますが、家に引きこもるようになった廣瀬さん。

インターネットのライブ配信では、配信者の男性にいじめについて自ら相談していました。

(廣瀬爽彩さん肉声)「いじめを受けていたんですけれど、そのいじめの内容が結構きつくて。

自分のほうでなかなか納得がいかないというか、処理できないという気持ちになってしまって。

学校にも行けなくなってしまって。学校に行くためにはどうしたらいいんだろうって考えたときに、何も自分では思いつかなくて。

学校側もいじめを隠蔽しようとしていて」

(配信者の男性)「そうだよね、いまの時代は特に」

(廣瀬爽彩さん肉声)「そうそうそう」

学校がいじめを隠蔽しようとしている。

そう話していた廣瀬さん。

当時、北海道の教育委員会はいじめの疑いがあるとして、旭川市の教育委員会に対応するよう指導。

しかし、市教委がいじめを認定することはありませんでした。

(廣瀬さんの母親)「自分だけ過去に置いていかれているって。本当は記憶を消してあげたかった。

でもできないから。時間が解決してくれるものなのか、ちょっとずつでも本当によくなってほしい。ただそれだけでした」

そして、去年2月。

(廣瀬爽彩さん)「ねえ、きめた。今日死のうと思う」

廣瀬さんは知人にこう告げて消息を絶ち、翌月公園の雪の中から凍死した状態で見つかりました。

廣瀬さんの死後、旭川市教委はいじめの疑いがあるとして「重大事態」に認定し、第三者委員会が調査を開始。

しかし、ここでもまた調査のスピードの遅さが指摘されてきました。

(旭川市 今津寛介市長)「(調査が)客観的に遅れていることは、事実ではないかなと思ている。しっかりスピード感を持って進めていほしい」

遺体発見から1年以上がたった3月27日、ようやくいじめが認定されたのです。

(旭川市教育委員会 黒蕨真一教育長)「こうした事態を招いたことに対して、この場をお借りして心から深くお詫びいたします」

旭川市の高校教諭で、学校でのいじめ撲滅に向けた活動を行う岩岡勝人さんは。

(NPO法人 学校の底力 岩岡勝人理事長)「6項目認定されたが、少なくとも10回から20回はいじめじゃないかと疑って、双方から話を聞いて検証し、解決するチャンスは少なくとも20回はあった。いじめを疑って調査や対応をしていれば防げた」

学校や市教委がいじめを認めない中、苦しみ続けていた廣瀬さん。

(金澤記者)「爽彩さんが一番つらかった時期に、市教委や学校が対応していれば結果が違ったと思いますか?」

(廣瀬さんの母親)「娘も心にけじめをつけて、進むきっかけにはなったかと思う。

取り残されているよう感じがするっていう気持ちに、区切りを打つことができたのではないかな」

学校や市教委の対応に問題はなかったのか。

さらなる悲劇を生まないための検証が求められています。

これまでの経緯です。

2019年4月、廣瀬爽彩さんは旭川市内の中学校に入学。

しかし入学直後から様子が変わり、6月には川に飛び込み自殺未遂。

母親は学校に何度も相談をしていましたが、いじめの認定には至りませんでした。

そして道教委は、市教委に対応するよう指導していましたが、市教委がいじめを認定することはありませんでした。

その後、廣瀬さんは別の中学校に転校しましたが、学校に通うことができなくなりました。

そして去年2月、自宅から姿を消し、3月に市内の公園で遺体で発見されました。

廣瀬さんが亡くなったあと、旭川市教育委員会がようやくいじめの疑いがある「重大事態」に認定。

第三者委員会による調査が行われ、先月27日に「いじめとして取り上げる事実が6項目あった」として遺族に報告し、きょう公表となりました。
4/15(金)「どさんこワイド179」  6/4(土)8:40更新

北海道