令和二年度第9回番組審議会議事録

令和二年度第9回番組審議会議事録

1.開催日時

書面開催

2.開催場所

書面開催

3.出席者

 委員数 6 名
[出席委員]  6 名
 竹川 雅治 委員長
 村澤 規子  副委員長
 井上奈穂子  委員
 大友 一弘  委員  
 桂田 聡志  委員 
 田村 望美  委員

                                                
[事務局] 1 名
 杉本  修  放送審議室長

4.議題

「家族草子〜それぞれの物語〜」
(2月6日(土)・13日(土)午前7時00分〜午前7時15分放送)

5.議事の概要

令和二年度第9回番組審議会は、「家族草子〜それぞれの物語〜」を議題として書面により開催されました。各委員からは以下のようなご意見をいただきました。

●パーソナリティの方の声も全員の声も朗読のスピードもとても聴きやすかったです。若干小説は重たい内容ですが、母と息子のやり取りも、どこのご家庭でもありそうな内容でとてもほっこり安心した気持ちになりました。
●今回3.4部を拝聴しましたが、1.2部を聞いていない人への配慮も最初にありよかったと思います。前回までの内容は短い時間ですが、ポイントを説明しているので、わかりやすかったです。
●時々ですが、主人公の方の「セリフ」なのか「ナレーター部分」なのかわかりずらい部分があったのでもう少し話し方を変えてもらえると良いのかな、と思います。
●全体的な印象は、週末のこの時間では、最初はトーンやテンポが少し重たく感じるところがありましたが、小説の内容やキャラクターのイメージが進んでいくと自然に受け入れられるようになりました。
●3話と4話を聴き終る頃には、ナレーションを含めて、スタッフの方々のスタジオの様子やキャラクターの特徴が思い浮かぶようになり、家族の関わりや想いなど、朗読ならではの臨場感が伝わり、この家族の関係性までも想像することができました。
●家族をテーマとする中では、キャラクターの個性は必要ないのかもしれませんが、顔が見えないラジオになりますと、ひとりひとりが、ある程度のインパクトがなければ、印象に残らないということも感じました。
●今回のテーマ番組である「家族草子(こちらの事情)」は、聴いた後に、一言で言って、「じわっとくる暖かさ」が残りました。私の年代(50歳)は、親の介護、夫婦の倦怠期、子供の教育・・・と様々な悩み・葛藤があると思います。まさに、この年代のそうした心の奥底に触れるような内容で身に沁みました。
●核家族化による家族・親族のつながりの希薄化といった家族問題や大都市東京と地方の暮らしの比較、中学受験、中年未婚者など、日本社会を取り巻く、様々な問題をさりげなく盛り込んでおり、短いながらも内容の詰まった興味深いものでした。
●15分間という番組の長さですが、今回の内容に限って言えば、全5回に切るのは、もどかしくて切りすぎ・短すぎかと感じました。今はすぐにネットで内容を調べることができる時代であり、加えて現代人はせっかちになってきています。できるだけ、内容を分断しない方がよかったかと感じました。
●コロナ禍のなか、時間に取り残されていくような錯覚を覚えるという声が多く聞こえる昨今、現実的ながら生き生きとした心温まるストーリーに、静かに耳を傾けることができる上質な時間は、特に貴重なひとときと感じる方が多いのではないでしょうか。
●冒頭で、前回までのあらすじも紹介され、少しだけ、前の回の終わりの部分を読んでいただけるのでスムーズに小説の中に入っていきやすく、内容がわかりやすかったのが良かったと思います。ぜひ続きが聴いてみたいと思い、20日の放送も聴かせていただきました。静かに朗読を聴くというラジオならではの世界観を久しぶりに味わいました。
●ラジオで「朗読」を聞くということは、正直、少し苦痛でした。私にとってラジオは、家事なり運転なり仕事なり、必ず何かをしながら聴いているため、ストーリー設定もすごく大まかにしかつかめず、物語に集中できませんでした。同じように感じるリスナーは多いのではないでしょうか?
●朗読自体はとてもはっきりと,聞きとりやすいものでした。それなのに少し抵抗を感じてしまったのは、選んだ題材がデリケートな感情を追う物語であり、ドラマチックで面白い展開の話ではなかったからだと思います。物語の、その繊細な部分を理解しようとして、集中して聞かなきゃと思ってしまい、ラジオをいつも「ながら聞き」する私は、そのこと自体を難しく感じました。
●連続モノの3回目、4回目だったから、という点も大きかったように感じます。作品自体、わかりやすい設定なのですが、1週ごとに分断されているフラストレーションは否めません。番組が15分しかないので難しいのかもしれませんが、これが1話完結のエッセイみたいな内容だったら、もっと集中して、興味深く聞けたような気がします。
●短い放送時間でしかも間隔があいているために、番組では本番の朗読劇を放送する前にそれまでの「あらすじ」を聴かせています。しかしこのような方策は、どうしてもそれまでの「話し」の流れを途切らせてしまい、聴いている者に「話し」そのものへの興味を失わせることになりはしないかと危惧します。
●この「あらすじ」の部分は、作者の森浩美さんではなく放送する側の人が書くでしょうから、そこに作者の森浩美さんや、それを演じる者が醸し出すその文章に対する考え、感情のくみ取りあるいは表現に微妙なズレが生じて、朗読劇を聴いている者に何らかの迷いが生ずる惧れも出てくるのでないか。
●気になったことは、今回放送されたこの朗読劇を演出した者やそれに出演した者の名が番組で紹介されなかったということです。やはり朗読劇として放送をする以上は、その演出者や出演者の名前はきちんと番組の中で紹介をすべきだと思いました。


次回の令和二年度第10回番組審議会は、令和3年3月25日(木)に開催を予定しております。