どさんこワイド179

マチと共に歴史を刻む・・・思い出の学び舎

2017年3月24日(金)

マチと共に歴史を刻む・・・思い出の学び舎

きょうは札幌市内の小中学校の修了式でした。北海道ではこの20年間で700校以上の学校が閉校になっているという現状があります。そんな中、思い出の学び舎を“町の歴史”として大切に残そうと活動している2つの元小学校をご紹介しました。

旧増毛小学校(増毛町)

  • 校舎
  • 校内
道内に残る、最も古い大きな木造校舎の「旧増毛小学校」です。ニシン漁の網元などからの寄付によって 昭和11年、今から81年前にこの校舎は建てられました。校舎の老朽化と、児童の減少などの理由から、5年前、学校は町内の別の場所に移転され、校舎はその役目を終えました。
今回、増毛小学校の卒業生であり、27年前には教員としてもこの校舎に通っていた織田達史さんに案内していただきました。

  • 体育館
  • 雑巾がけ
建物は81年前の造りそのままです。天井が特徴的な大きな体育館は、梁が幾重にも重なり、上や横からの力が加わっても耐えられる 頑丈な構造です。

去年、貴重な木造校舎の保存に向けて、校舎を掃除するイベントが開催されました。この校舎の長い廊下を利用した“ぞうきん掛け選手権”です。数年ぶりに校舎に子ども達の笑い声や歓声が響き渡り、織田さんは「今と昔をつなげる接点になったイベント」と話してくれました。
今後も、マチでは新たな取り組みを考えており、校舎をただ保存するのではなく、利用しながら次世代へつなぐことを検討しているそうです。

旧絵鞆小学校(室蘭市)

  • 校舎
  • カメラマン
全国的にも貴重な円形校舎が2つ並ぶ「旧絵鞆(えとも)小学校」です。印象的な上の写真を撮ったのは、この学校の卒業生で室蘭在住のカメラマン・関浩勝さんです。

1958年、室蘭に建てられた旧絵鞆小学校は、多くの学校で教室が不足する中、狭い敷地に 少ない建築材料で たくさんの教室を作ることができることから、当時全国的に流行っていた「円形校舎」として建築されました。しかし2年前、児童減少などの理由から 学校は閉校となりました。
  • 螺旋
  • 教室
3月のある日。カメラマンの関さんと、同じく卒業生の村田さんが学校を訪ねました。学校のシンボル螺旋階段が建物の中心となっていて、放射状に教室が配置されているという造りです。
お2人は、思い出が詰まった この貴重な円形校舎を遺したいと保存を考える団体の方でもあります。関さんが撮りためた絵鞆小学校の写真を一冊のフォトブックにまとめるなど、これからも学校の魅力を伝えていこうとしています。
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