どさんこワイド179

札幌の歴史を歩いて探訪!てくてく洋二〜厚別編

2019年1月28日(月)

札幌の歴史を歩いて探訪!てくてく洋二〜厚別編

  • てくてく洋二〜厚別編
北海道の知られざる歴史を、木村洋二アナウンサーと専門家が歩いて辿るコーナー「てくてく洋二」。今回は平成元年に白石区から分区し、札幌10区の中で面積が一番小さい「厚別」編です。案内人は「厚別区民歴史文化の会」代表の松山瑞穂(みのる)さん、地元の歴史とクラシック音楽を愛する元気な80歳です。

北海道百年記念塔

  • てくてく洋二〜厚別編
  • てくてく洋二〜厚別編
    ひばりが丘小学校の校章(写真左)と、ひばりが丘小学校から見える塔(写真右)
昭和45年に完成した「北海道百年記念塔」は、北海道の命名から100年を記念して造られました。昨年、道が解体方針を正式発表しており、現在は立入不可となっています。

百年記念塔の窪みと窪みとの間は、下から1m・3m・5mというように全て奇数になるように設計されており、全ての数字を足すと100になります。

百年記念塔は、厚別区内の様々な学校に残されています。
昭和62年に開校した厚別北小学校の校歌には「雲湧き上がる 記念塔」とあり、ひばりが丘小学校やもみじ台南中学校の校章デザインには、学校がある場所からの塔の眺めが使われています。

信濃神社

【住所】札幌市厚別区厚別中央4条3丁目
  • てくてく洋二〜厚別編
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松山さんによると「信濃神社」は“厚別発祥の地”だそうです。厚別は、明治16年に長野県諏訪地方から8人とその家族が入植したのがはじまりで、河西由造(よしぞう)が地域の中心人物として土地の開墾から神社や学校の建設にまで力を注ぎました。
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    旧信濃神社
  • てくてく洋二〜厚別編
信濃神社の古い社殿は、同じ厚別区にある「北海道開拓の村」に当時のままの姿で保存されています。
神社には珍しい木製の稲穂の飾りがあり、米作りにかける当時の入植者たちの思いが形となって残されていました。

旧馬場農場のサイロ

  • てくてく洋二〜厚別編
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    旧馬場牧場の様子
市営団地の中に佇む大きなサイロは、かつてこの辺りにあった馬場農場のものです。当時としては最大規模の石造りのサイロということで、今も大切に残されています。

旧宇納牧場のサイロ

【住所】札幌市厚別区上野幌1条5丁目
  • てくてく洋二〜厚別編
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かつて宇納牧場があった場所にも古いサイロが残っています。
こちらは「雪印北海道バター」発祥の地として知られており、大正14年に製造が始まりました。

雪印バター誕生の記念館

※現在は非公開
  • てくてく洋二〜厚別編
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当時の道具などが保存されている施設を、今回取材のため特別に見せて頂きました。
当時、獲れたニシンを肥料にするために使われていた鉄製の大釜がバター作りに一役買っていました。
最初はすべてが手作業。後に北海道の一大産業となるバターづくりの第1歩が、この厚別の地で刻まれたのです。