どさんこワイド179

福永探偵社〜チカホで発見!左側通行の不思議

2019年3月12日(火)

福永探偵社〜チカホで検証!左側通行の不思議

北海道に潜むあらゆる謎や噂を解決していこう!というコーナー「福永探偵社」。きょうで開通9年目の「地下歩行空間(チカホ)」で見つけた“日本人の習性”を調査しました。

日本人の習性?なぜ歩道の左側を歩く?

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札幌駅から大通駅を結ぶ札幌駅前通地下歩行空間。矢印などの標識がチカホ内にあるわけではないのに、なぜ利用者のほとんどが左側を歩くのか?
チカホを管理する札幌市に伺いました。管理課の加藤さんは「私もよくわかりません。チカホは法律上、歩行者専用道路で地上の歩道と同じ扱いです。歩道は道交法でどこを歩いても良いことになっています」という回答でした。
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では、チカホ以外の場所はどうなのか。「ポールタウン」と「オーロラタウン」を観察しましたが、やはり皆さん左側通行で、もちろん標識などはありませんでした。1971年に開業当時の映像を見ても、この時からルールが無いにも関わらず利用者が左側を歩いていたことがわかりました。

左側通行は昔のルールの名残り?

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歩道の歩き方を研究する、東京大学生産技術研究所の研究員・牧野浩志さんに伺いました。「明治時代に馬車や人力車の通行が増え、交通規制が明文化した。北海道の場合は特に明治の開拓期に街づくりが行われたのでそのルールが徹底された。その習慣が名残りとしてしっかり残っているのではないか」と、昔の日本に存在した交通ルールの影響と分析しています。

右の写真のように、日本の歩道の歩き方に限定した法律の変遷をまとめました。明治34年、日本で初めて歩道の歩き方が規定され、警視庁告諭第3号によって左側通行とされました(このルールは主に東京周辺で適用)。そのルールが大正10年、道路取締令で全国的なルールとして規定。ところがその後、昭和22年の道路交通取締法でなぜか左側通行の規定が無くなり、それ以降現在に至るまで歩道はどこを歩いても良いことになりました。つまり、明治から昭和にかけて存在した「歩道は左側通行」というこのルールが、世代を超えて日本人に脈々と受け継がれているというのです。

小学校では左側通行?右側通行?

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では、今どきの子供たちは左側通行、右側通行どちらなのか? 豊平区にある札幌市立東山小学校にお邪魔しました。休み時間の廊下を覗いてみると、子供たちは右側を歩いていました!
実は全国的な決まりはないそうで、学校毎に自由に決めていいそうですが、多くの小学校で「廊下は右」と指導している事がわかりました。北原校長は、こう推測しています。「学校内だけでなく学校の外でも有効だからです。歩道の無い道路で右を歩くと車が向かって走ってきます。車をいつも気を付けて歩く事につながるので右側を歩こうと指導しているのではないか」

実際に、現在の道路交通法には「歩道と車道の区別がない道路では人は右側に寄って通行しなければならない」という決まりがあります。この法律を小さな子供に徹底させるため右側通行を小学校で教えるのは理にかなっていると校長先生は教えてくれました。