過酷なトレーニングに励む葛西紀明選手53歳「一緒にメダルとりたい」ミラノ五輪と後輩・伊藤有希選手への思い
ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックまで、あと7か月あまりとなりました。
北海道下川町出身の葛西紀明選手が所属する土屋ホームスキー部が、5月末に合宿を公開し、自らのオリンピック出場とともに後輩への思いも明かしました。
(葛西紀明選手)「自分のいまの調子ではオリンピックは選ばれない。まず絶好調にもっていかなければオリンピックの…オリンピック出場というのは見えてこないと思う」
沖縄県宮古島市。
下川町出身の葛西紀明選手が選手兼監督を務める土屋ホームスキー部が、毎年恒例となる宮古島での合宿を公開しました。
6月6日に53歳の誕生日を迎えた葛西紀明選手も、20代・30代のチームメイトとともに競うように練習をこなしています。
(葛西紀明選手)「ローラーブレード、そしてローラーのボードを使いながらのトレーニングで、僕の苦手な部分(の練習)でもあったりするんですけど、年々できなくなってきているのかわからないですけど、何とかついていっています」
今回の宮古島合宿は午前7時すぎのランニングに始まり、夜までの3部練習を組んでいて、基礎体力の向上などがテーマとなります。
ウエイトトレーニングなどはひざや腰への負担を考えて控えめに。
一方、俊敏性を鍛えるトレーニングは若手以上の動きで汗を流していました。
葛西選手が体を追い込むのには理由があります。
(葛西紀明選手)「事実上自分のいまの調子ではオリンピックは選ばれない。絶好調のジャンプができればワールドカップで通用する。表彰台も狙える。そしてオリンピック9度目もいけると信じている」
毎朝のランニング後には宮古ブルーが広がる海辺で瞑想。
思い描くのはー
(葛西紀明選手)「もちろん(自分が)ミラノオリンピックで金メダルをとる瞬間はいつも瞑想しながら描いているし、自分のことはもちろん、金メダルを願っているのは伊藤有希」
葛西選手が願うのは、同じ下川町出身のチームメイト・伊藤有希選手のオリンピックでの活躍です。
(葛西紀明選手)「礼儀礼節・謙虚な心・感謝の気持ち、そういうのを全部ひっくるめて有希はすごいアスリートだと思っている。人一倍努力しますね。努力しすぎなところもあったりする。その努力は絶対に実ると思っていますし、実らせてあげたい。努力が実って金メダルをとっている姿を見たいです」
(伊藤有希選手)「(葛西選手から)土屋ホームスキー部で一緒に世界を目指そうという言葉をいただいてからことしで12年目になるが、毎年ずっと変わらず育てていただいて、監督のもとで学べることをすごく幸せに思います。個人の金メダルだけは持っていないので、そこを小さいころからの夢でもあるし、絶対に監督と一緒にオリンピックに出て、一緒にメダルがとりたいと思っている」
後輩とともにオリンピック出場、そして2人でまだ見ぬ頂点へ。
ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックは2026年2月6日に開幕を迎えます。