【ファイターズ】郡司が突破口!終盤大量得点で快勝

■日本ハム7-0オリックス(15日・エスコンフィールドHOKKAIDO)
首位ファイターズは2位オリックスと対戦し、7―0で勝利した。6回まで互いに得点を許さない緊迫した展開だったが、7回1死満塁から郡司裕也が2点タイムリーを放ち、均衡を破った。
◆34打席ぶりのヒットが決勝打!郡司「ほっとした」
思わぬアクシデントがあった。きのうの試合で開幕から4番を任されていた野村佑希が左わき腹の違和感を覚え途中交代。きょう左内腹斜筋肉離れと診断され、登録を抹消された。
野村の代わりに、一塁手でスタメンに選ばれたのが郡司だった。
試合前まで30打席ノーヒット。それでも新庄監督は、2番に抜擢した。
7回満塁のチャンス、きょうもまだヒットが出ない中で迎えた第4打席。
「あそこで打てなかったら、鎌ヶ谷に行くくらいの覚悟で打席に入った」。
1ボールからの2球目、138キロの変化球をとらえる。
打球は三遊間を抜け、先制の2点タイムリーヒット。
34打席ぶりの快音が、試合の流れを一気に引き寄せた。
8回に打線がつながり、一挙5得点。郡司も2本目のタイムリーを放ち、きょう4打点。
郡司は「ほっとした。それでも信じて使ってくれたボスに感謝」。
新庄監督は「(試合前に)きょうは4本ぐらい打ちそうという話をしていた。そうしたら4打点。そっちの方がいいね(笑)」と手放しに郡司の活躍を称えた。
◆今季初先発の細野が好投「新しい課題を見つけられた」
今季初先発の2年目細野晴希(23)は6回91球6安打4奪三振で無失点の好投。
プロ初勝利とはならなかったが、本人にとっては収穫のある内容だった。
初回、左腕のコントロールが冴えわたる。先頭の廣岡には140キロのスプリット、続く打率ランキングリーグ2位の西川には136キロのカットボールを投じ、2者連続で見逃し三振を奪う。その後、連続ヒットから2塁1塁のピンチとなるが、5番太田をセカンドゴロに仕留め無失点で切り抜けた。
2回以降も多彩な変化球を操り、テンポ良くオリックス打線を封じていく。バッテリーを組んだのは、今季初出場の進藤勇也(23)。ファームで共に切磋琢磨してきた同期だ。
登板2日前に新庄監督から「キャッチャーは誰がいい?」と聞かれ、「もう決まっているんじゃないですか」とだけ答えたが予想はしていた。「自分が焦っているとき、(進藤は)積極的に声をかけてくれるので安心して投げられる」。6回2塁1塁のピンチも進藤のリードを信じて腕を振り、中川をハーフスイングの三振に仕留めた。
打線の援護が間に合わず、プロ初勝利はお預け。しかし背番号29は「ファームと一軍のレベルの差を感じた。特にフォークが捉えられて、新しい課題を見つけられた登板となった。それでもファームで取り組んできたことが通用した部分もあった」。次の登板で、念願の白星をつかむ。
◆宮西 プロ野球史上初880試合連続リリーフ登板達成
プロ18年目の宮西尚生(39)が7回に登板し、880試合連続リリーフ登板を達成。岩瀬仁紀(中日)の879試合を抜いてプロ野球最多記録を更新した。
マウンドに呼ばれたのは、0ー0で迎えた7回。2死3塁のピンチで、球界トップクラスの打撃力を持つ西川龍馬を迎える場面。2ボール2ストライクから投じた5球目。141キロのストレートでセカンドゴロに打ち取った。「(相手にも)スライダー率がデータで入っていただろうし、進藤が良いリードをしてくれた」と、23歳の配球にも感謝した。
ベンチ前で偉業達成を祝う花束を手渡した新庄監督は「日本記録をつくってしまったので、ここからはまた新人の気持ちで楽しんでもらえたら」。
来月40歳を迎える鉄人左腕は「(ここからの)1試合は50試合分くらいの感覚。1歩1歩地道に〝らしく〟いきたい」と、今後の記録更新を誓った。