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雪印メグミルクスキー部 創部以来初の”紅一点”一戸くる実選手 笑顔の練習公開

<6月17日 雪印メグミルクスキー部公開練習 札幌市・宮の森ジャンプ競技場>

1946年創部の雪印メグミルクスキー部に”新しい風”が吹き込んだ。創部以来初の女性ジャンパーとなる一戸くる実選手(20)が今年4月に新加入。今季からチームの指揮を執る伊東大貴新監督は「本人は男子のようなフィジカルとジャンプを目指したいということなので、男子選手と同じトレーニングにトライさせている。女子選手を本格的に指導するのは初めてだったが、フィジカルの強さに驚いている」と、ここまでの練習ぶりを評価している。

この日は強い日差しが降り注ぐ中での練習公開となったが合計6本のジャンプトレーニングを行い、一本ジャンプを飛ぶ毎に伊東監督とジャンプの姿勢を映像で見直し、言葉を交わすシーンが印象的だった。一戸選手の父はトリノ五輪にも出場しているジャンパ―の剛さん。幼少時代からこれまでは二人三脚でジャンプを磨いてきたが、同スキー部入部後はチームでの練習に手応えを感じているという。ふとした声掛けや一緒に練習を行うチームメイトの姿が心強く、課題点が見つかることも多くあるという。

去年は髙梨沙羅・伊藤有希らと共に日本代表としてW杯に出場し、最高順位は10位。夢の五輪出場に向けて飛躍のシーズンを送った。

しかし、年々レベルが上がる女子ジャンプ界の海外ライバルと対戦を重ねるうちに、自分も男子の中に入ってやる必要があると肌で感じた。

自らの意思で環境を変え、意を決して男子選手の輪の中に飛び込んだ一戸選手は今季の目標をこう語った。

「私はいろいろな人を巻き込んで夢を叶えたい。一人で努力するのも必要だけど、SNS活動とかファンの方との交流を通じて一緒に夢を掴んでいくっていう事を私はやりたい。そして、(オリンピックの)メダルを届けたい。皆さんのおかげで私は楽しめています!…というのを言葉だけじゃなくて、表情とかジャンプの距離で伝えたいです。」

昔から雪印メグミルクの人気商品”牧場の朝”が好きだったと話す一戸選手。入部後は更に雪印商品の見識を深め、現在はお気に入りのカマンベールチーズをコンロで焼いて食べるのが止まらないと笑顔で話してくれた。

風に乗るのが専売特許のスキージャンパ―。この新しい風に雪印メグミルクスキー部がどう乗って行くのか。一戸選手の夢は叶うのか。

スキージャンプ五輪日本代表の枠は現状男子が3人、女子は4人。五輪イヤーとなる今季、”狭き門”を巡るジャンパー達の夢を懸けた競争は既に始まっている。

06/17(火) 16:02

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