オリンピックは「最後まで諦めない」スキージャンプ・葛西紀明選手 “壁”乗り越え再起へ STVカップジャンプ大会
1月11日に札幌の大倉山で開催されるSTVカップジャンプ大会に葛西紀明選手が出場します。
53歳になったレジェンドがいま乗り越えようとする壁について初めて打ち明けました。
(葛西紀明選手)「優勝しか見えていない。STVカップの目標をお願いしますと言われれば優勝しかないですと」
53歳でなお現役生活を続けるスキージャンプ界のレジェンド・葛西紀明選手。
2026年で65回を数える伝統の大会で優勝したのは、これまでに5回。
この記録を超える選手はいまだ現れていません。
中でも2010年は、この大会での優勝をはずみにバンクーバーオリンピックに出場。
世界の強豪と渡り合う活躍の原動力となりました。
しかしー
時を経て53歳となった今、競技を始めたころの「ある感情」が再び芽生えてきたと静かに語りだしました。
(葛西紀明選手)「最近ここ2~3年くらい、風が吹くと急に怖くなる。自分の直すところを直したいけど恐怖心が勝つ。すると安全ジャンプしてしまい、課題をクリアできない状態が続く」
世界の強豪らが集う・大倉山ジャンプ競技場。
その上からは札幌の街並みが一望できます。
アプローチの傾斜は35度。
ここを高速道路を走るクルマ並みの時速90キロに及ぶ速さで一気に滑り降ります。
スーツは極限にまで軽量化が図られているため、体を守るのはヘルメットだけ。
選手たちに試されるのは飛距離ばかりではなく、風や雪の中で己に打ち勝つ勇気なのです。
(岡崎アナウンサー)「ではまさにジャンプの原点、恐怖心と対峙してやっているという」
(葛西紀明選手)「でも飛びたい。130メートル、140メートルを超えていくイメージは頭の中にあるので。飛びたい」
(岡崎アナウンサー)「複雑な感じですね」
(葛西紀明選手)「複雑な感じです」
再び表彰台の頂点へ。
そのために重点を置くのが基礎体力作りです。
50代になり、1日のランニングは朝と夜の2回に。
そしてもう一つが食事です。
ある日の朝食では、餅のない雑煮にご飯とおかず。
夜は鶏チャーシューにカニ入りの鍋で、ご飯はナシ。
運動量を増やして減量に耐えてでもなおも動ける己を実感するかが再起へのカギだといいます。
(葛西紀明選手)「迷いがなくなればポポポーンと勝つと思う。高校1年での優勝が頭から離れない。諦めてはいない」
(岡崎アナウンサー)「オリンピックは?」
(葛西紀明選手)「1%でも可能性が残っているなら最後まで諦めない。諦めの悪い男なので」
STVカップ優勝からミラノ・コルティナオリンピックへ。
「諦めの悪い男」がその闘いに挑もうとしています。