【レバンガ】富永啓生 加入会見 「入団の決め手は…」NBA狙う24歳が語った〝北海道に期待すること〟

レバンガ北海道に加入した富永啓生選手(24)の加入会見が6月9日、札幌市内で行われました。会見要旨は以下の通りです。
■はじめに
(桜井良太GM)「この度、レバンガ北海道は日本を代表する選手でもある富永啓生選手と契約を結ぶ運びとなりました。富永選手にとって今回の決断は決して簡単なものではなかったと思います。彼の夢でもあり、希望でも目標でもあるNBAでのプレーに向けての長い道のりの第一歩として、数あるオファーの中からレバンガ北海道を選択してくれたことを大変うれしく思うと共に、この北海道の地で活躍してもらい、自身のパフォーマンスと評価を上げていってもらいたい。昨年6月にきたえーるで日本代表とオーストラリア代表の親善試合がありました。それを見に行った際に、彼が3ポイントシュートをバシバシと決める姿を見て大変興奮したことを覚えています。今季からトーステン・ロイブル氏が指揮をとるもと、彼が大活躍をする、3Pをバシバシ決めるところを見て、北海道・日本中が大興奮する姿を僕は確信しています。小川嶺さんが新オーナーになる中で、レバンガ北海道がBリーグの中でも強豪チームといわれるチームになるべく、そして長く歴史のあるチームになるべく頑張っていきたい。そして、レバンガ北海道に関わる全ての人は本気で「このチームが日本一になるんだ」という思いを持って活動できるように頑張っていきたい。応援のほどよろしくお願いします」
(富永啓生選手)「こんにちは。レバンガ北海道に入団することになった富永啓生です。まず、たくさんの方にお越しいただきありがとうございます。そしてこの入団をするきっかけとなった小川オーナー、折茂社長、たくさんの方々の熱烈なオファーが自分の入団を決定づけるきっかけになったので、感謝したい気持ちでいっぱい。自分が去年、日本代表選で北海きたえーるで試合をした際に、熱いファンであったりとか試合をしていて楽しく思えるアリーナの1つだった。レバンガ北海道の一員として、またファンのみなさんの前で活躍することが楽しみにしていますし、期待に応えられるように、北からバスケットを盛り上げていけるように頑張りますので、応援よろしくお願いいたします」
■質疑応答
Q:北海道の気候はどう?
(富永啓生選手)「きのう北海道に入って、気温も過ごしやすそうだと思った。今回で北海道に来るのは2回目、すでにすごく過ごしやすそうだと感じています」
Q:北海道加入に皆が驚いた。たくさんの選択肢がある中で、なぜBリーグ?レバンガ?
(富永啓生選手)「1番の決め手となったのは、自分のバスケキャリアを見たときに、最終目標がNBA選手になることは変わっていない。その中でどれが一番良いのかを考えた結果、Bリーグは盛り上がっていてレベルも上がっている中で、自分が活躍し盛り上げられれば、キャリアのレベルアップにもつながるというのが1つ。そして、今季からトーステン・ロイブルさんが監督に就任されて、自分にとってはU16、U18、あとは3x3では指揮をしてもらった恩師。お互いが信頼関係を築けている中でやるということもきっかけになった。そして、北海道のバスケを盛り上げたいという気持ちもあり、選ぶことにしました」
Q:ロイブル氏の指導の中で、どのようにプレーやメンタルに影響した?
(富永啓生選手)「アメリカに行くきっかけもロイブルHCだった。後押しをしてくれた一番のコーチ。自分の強さを引き出してくれた。そのコーチのもとでできるというのは楽しみですし、本当に北海道のバスケのレベルアップにつなげていきたい」
Q:北海道という土地の印象は?
(富永啓生選手)「第一印象は栄えている部分と自然、両方が楽しめる良いマチ。食べ物はどこの場所よりも良いと思っているので、すごく楽しみにしています。自分はお寿司が好きで、きのう食べた。すごく新鮮で他のところが食べられなくなるくらいのおいしさだった。これからも楽しみ」
Q:今季どんなプレーを見せていきたい?
(富永啓生選手)「3Pシュートとスコアラーの部分。そこでチームに貢献出来たらいいと思っていますし、ブースターの声援を受けて活躍したい。チームとしても個人としても飛躍していけるようなシーズンにしたい」
Q:桜井GMが一緒にコートに立つなら、どのように富永選手を活かしたい?
(桜井良太GM)「きのう折茂さんも同席して食事をする中で、(折茂さんから)〝お前(桜井GM)はシューターを活かすパスがヘタクソだった〟という話をされたのですが(笑) 、自分が一緒にプレーするなら、自分がボールをプッシュする中で、自分にディフェンスを引き寄せて、ノーマークで3Pを打ってほしい」
Q:レバンガというチームで具体的にどこを伸ばしたい?
(富永啓生選手)「もちろんオフェンスの成長もそうだが、ディフェンスやチームを勝利に導ける選手になることが自分のレベルアップにつながる。マークも強くなってくる中で、点をとり、周りを活かせるような選手になりたい」
Q:レバンガは若い選手の多いチームだが?
(富永啓生選手)「若い選手だからこそできる強さもある。声を出したりハッスルしたり…若いなりにできることもある。自分もアメリカを経験したのでその部分は伝えていって、みんなで切磋琢磨して成長できれば」
Q:桜井GMが富永選手に加入してもらうために伝えたことは?
(桜井良太GM)「あまり良いことはそこまで言っていない。レバンガの現状とこれからどんな風に変わっていきたい、その中で富永選手に来ていただいて一緒にチームを作り上げていきたいという話を素直に伝えた」
Q:その時の手ごたえは?
(桜井良太GM)「あまりわかりませんでした。すごく難しい契約だなとは思っていたんですけど、僕がどうこう頑張ったわけではなく、周りのみなさん含めて、ロイブルHCとの関わりが深かったことは大きかったと思う」
Q:大学、Gリーグ、そしてレバンガ。Bリーグで証明したいことは?
(富永啓生選手)「オフェンスは評価されていると思うので、それ以外の部分の評価を上げたい。フィジカルもそうですし、プレーメイキングなどまだまだ成長できる部分はたくさんあると思う。個人としてもチームとしても成長できれば」
Q:ロイブル氏とやることによって、期待することは?
(富永啓生選手)「自分の強みや弱みをを理解してくれていて、自分を成長させてくれるのは間違いないなというのはあったので。すごく楽しみにしています」
Q:島谷選手が同期。中学の全国大会で対戦したことがあるが?
(富永啓生選手)「彼のチームは6人だったことを覚えている。彼がメインで点をとっていたことが印象に残っている。一緒に同じチームでできることになったのは楽しみ。同世代で頑張っていきたい」
Q:チームとしてもハンドラーの役割もあるかもしれないが、桜井GMとして挑戦させたいことは?
(桜井良太GM)「ロイブル新HCとも話をしている中で、例年よりポジションレスなスタイルになる。もちろんPGが誰というのはあるんですけれども、試合をやっていく中で、例えばPGの島谷だけがボールを運ぶのではなく、ウイングの選手も運んできてエントリーが始まっていくということを考えている。富永選手の夢であるNBAに挑戦していくところで、レバンガ北海道で今持っているものだけでなく成長していってほしいと考えていますし、オフェンス面だとハンドラーもやってもらったり…ディフェンス面でもレベルアップしてもらいたい。あらゆる面で成長していってほしい」
Q:アメリカの経験も踏まえて、どんなプレーでチームを引っ張りたい?
(富永啓生選手)「自分はオフェンシブな選手なので、そこでチームを引っ張りたいというのは大前提。チームが得点が必要なときに自分が本当にいつでも点をとれるように支えていきたいというのが1番にあって。そのほかディフェンスの部分だったり、クラッチタイムで自分が点をとってチームの勝利に貢献できるようになれればいいのかなと思ったり…そのあたりを頑張りたいと思っています」
Q:富永選手が思うバスケの魅力を教えてください
(富永啓生選手)「他のスポーツと違って、点がたくさん入る。見ていて迫力もあるし、攻守の切り替えも速いので楽しいと思う。細かいルールはあるので覚えなければいけないこともあるが、たくさん点が入るのがバスケの魅力。そこを注目して見てもらいたい」
Q:北海道のファンのみなさまへ
(富永啓生選手)「SNSもそうですし、メディアの集まっている数からも注目もされていると思うしありがたいことで、その期待に応えたいので応援をお願いいたします」
Q:入団に向けて、具体的に響いた言葉は?
(富永啓生選手)「桜井GMもおっしゃっていた通り、嘘をつかないというか、今のチームの状況を語ってくれたことが好印象だった。また、自分がこの先1年じゃなく、その先の将来も考えてくれた言葉をもらったことが入団の理由になった。いろいろ考えた結果、レバンガに来ることがNBAへの近道だと思った。もちろん努力はしないといけないし、個人としてもチームとしても成長することで目標を達成できると思う。レバンガ北海道自体が上に上がってきているチーム。自分は下位チームにいることが多かったので、自分が加入してCSに出たりチャンピオンを獲っていけるようになればチームとしても個人としても評価は上がる」
Q:富永選手にとってロイブル新HCは?
(富永啓生選手)「オンコートとオフコートではっきりしている。オンコートはすごく厳しい、素直に間違っていることは間違っていると言ってくれるコーチ。オフコートではすごく紳士的で受け止めてくれるコーチ。すごく信頼しているしリスペクトしている。自分のシュート力を1番認めてくれて、それを最大限活かしてくれたコーチ」
Q:若いチームということについて、改めて…
(富永啓生選手)「アメリや日本代表などいろんなカテゴリーでバスケをやってきたので、その経験をチームに共有したい。若いチームですがみんな頑張る人たちばかり。その中で自分も頑張っていきたい」
Q:富永に期待するプレーは?
(桜井良太GM)「彼が来てくれることにより、レバンガ北海道の注目度が上がり、集客も上がり、レバンガがより魅力的になるという道筋を一緒に見てもらいたい」
Q:幼いころから様々な挑戦…その原動力は?
(富永啓生選手)「いろんなカテゴリーやレベルでバスケをやることにおいて、いつも思っているのは「バスケを楽しむこと」。自分の原点。今回も新しい舞台でやるが、楽しむということに重きを置いてやっていきたい」
Q:アメリカでの経験を還元したいとあったが、どんなこと?
(富永啓生選手)「まだチームに合流していないので現時点では難しいが、アメリカは負けず嫌いの文化。その部分は伝えられれば。日本に戻ってきてやれることは楽しみですし、Bリーグにいる選手から情報をもらって、自分も情報を共有することで良いチームになると思う」
Q:昨季レバンガ東地区5位。今季の目標は?
(富永啓生選手)「まずはCSを狙いたいし、もちろんそれ以上。まずは1試合1試合「全緑」で戦っていきたい」
Q:対戦が楽しみな選手は?
(富永啓生選手)「この選手!というのは難しいが…日本代表でやってきた選手とやるのは楽しみ。たくさん若い選手で良い選手が出てきているので、切磋琢磨して日本全体のレベルアップ、盛り上げられれば」
Q:ホーキンソン選手との対戦は?
(富永啓生選手)「彼とは連絡を取り合っていて、楽しみだと言ってくれた。その中で「トラッシュトーク」をするからなと言われました(笑)。そこは自分もし返さないとな、と」
Q:言える範囲で契約の部分は?
(桜井良太GM)「ひとまずは今季の契約。年俸はお答えできません」
(折茂社長)「レバンガ史上最高です!」
Q:NBAにいつ挑戦したい?
(富永啓生選手)「若い選手が貴重とされるので近々とは思うが、具体的な何年というのではなく、成長してチャンスがあれば狙っていきたい。てっぺんを獲りたいというのがあるので、レバンガの選手として優勝を狙いたい」
Q:レバンガ加入について相談した人は?
(富永啓生選手)「両親に相談した。最終的な決定は自分。アドバイスはもらった上でだが、自分で決めました」
Q:Bリーグを考え始めたのはいつごろから?
(富永啓生選手)「去年のシーズンが終わったくらいか、少し前から考えていた」
【富永啓生(とみなが・けいせい)2001年2月1日 名古屋市生まれ】
元日本代表の啓之さんを父に持ち、桜丘高校(愛知県)3年時のウィンターカップで個人として大会得点王に輝くとともに、チームを同校初の3位に導く。
NBA入りを目指して高校卒業と同時に渡米。
レンジャー・カレッジを経て、21年にNCAA(全米大学体育協会)1部に所属するネブラスカ大に編入。
チームのエースとして活躍する。
24年には当時全米1位のパデュー大学を破ったほか、NCAAの3Pシュートコンテストで優勝。
ハーフラインを超えたエリアのどこからでもゴールを狙えることから、NBAで歴代最多3P成功数を誇るステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)にちなみ「和製カリー」の異名を持つ。
24年9月にNBAインディアナ・ペイサーズと開幕前キャンプ参加のエグジビット10契約を結ぶものの解除となり、昨季は傘下のGリーグ・マッドアンツに在籍。
日本代表では23年W杯、24年パリ五輪に出場。
3人制では、来季レバンガ北海道の指揮をとるトーステン・ロイブルHCの元、21年東京五輪に出場。
ベルギーと中国に勝利し準々決勝まで進出した。