“中止前提”のクリスマスイベント「命が大事、良い対応」道内観光地で進む災害対応 後発地震に備える
北海道内では引き続き、大規模な地震が起こる可能性があることから「後発地震注意情報」が出されています。
大勢の人が訪れる観光地はどのような対応をとっているのでしょうか。
函館の冬を代表するイベント「はこだてクリスマスファンタジー」です。
しかし、例年とは少し違った条件での開催です。
(東海林記者)「函館のクリスマスファンタジーの会場です。地震や津波注意報が発令された際は中止するという前提で開催されています」
その理由は、8日深夜の地震をうけて発表された「北海道・三陸沖後発地震注意情報」です。
1週間の間に大規模地震が起きる可能性があるとしています。
会場が海に近いことから実行委員会は、正午時点で函館市に「津波注意報以上」が出された場合、その日の開催を中止にすることを決めました。
また、午後4時半にイベントが始まってからも同様の対応をとるということです。
(来場者)「大変な思いされた方もいるし、うちも結構揺れたので、そういうときはみなさんと一緒に避難する」
(来場者)「命が大事だと思うので、すごく良い対応だと思う」
釧路市のイベントにも影響が広がっています。
貝の詰め放題に、一本まるごとの新巻鮭。
12日から始まった「くしろ物産まつり」です。
会場は海抜7.5メートルと、津波の浸水想定区域内にあります。
このため、運営側は市と協議し、関係者用の防災マニュアルを新たに作成しました。
訪れた人が混乱しないよう避難経路などを見直して、よりわかりやすくしたといいます。
(釧路市物産協会 須貝謙一さん)「避難経路の確認と、従業員・出展者の役割分担の確認ということでいい機会だったので、しっかりしたマニュアルを今回初めて作った」
観光地での対策について専門家はー
(北海道大学 高橋浩晃教授)「道外から来る観光客は不安に思われるかもしれませんが、万が一の災害時の対策を行政を含めてよく検討しておくことが安心につながるので、観光地ではそういう取り組みも進めていただきたい」
世界中で人気の高い北海道の冬のイベント。
インバウンドを含め、訪れる人が安心・安全に過ごすための体制づくりが重要です。
紹介した函館市・釧路市には12日は津波注意報が出ていないため、いずれのイベントも通常通り開催されています。