市街地に出没したクマ 市町村の責任で発砲…条件付きで可能に「緊急銃猟」新たな対策に課題は?
北海道内でもクマの出没が相次ぐ中、環境省は7月8日、9月から市街地での銃を使った駆除を条件付きで可能にする「緊急銃猟」のガイドラインを公表しました。
新たなクマ対策として確立していくのでしょうか。
(池上治男さん)「これそうだな。踏み倒しているでしょ。これで出てきたって判断している」
クマの痕跡を見つけたのは、砂川市のハンター・池上治男さんです。
2025年9月から、市街地で銃を使った駆除が条件付きで可能となりますが…
(池上治男さん)「建物に入ったらしょうがないよね。構えてやれって言ったら、やらざるを得ないかもしれない」
道内では2025年もクマの出没が相次ぎ、警察への通報件数は6月末までで1275件。
2024年より83件増えています。
過去には住宅街で人がクマに襲われることも起きていますが、これまで市街地での銃を使った駆除は警察官の許可を得るまで禁止されていました。
こうしたなか、環境省は8日ー
(浅尾慶一郎環境相)「ガイドラインを自治体の方によく理解していただいて、戸惑うことなく対応できるようにしていきたい」
市街地などでクマが出没した際に、2025年9月から、市町村の判断で特例的に猟銃を使うことができるようになるため、ガイドラインを公表しました。
改正鳥獣保護管理法の施行では、住民の安全が確保できるなどの条件を満たしていれば、市長村長はハンターに対し、市街地での「緊急銃猟」を委託できます。
公表されたガイドラインでは、人の生活圏にクマなどの危険鳥獣が侵入、または侵入するおそれが大きいこと。
緊急性が認められること。
猟銃以外の方法での捕獲が困難なこと。
安全性が確保されていることなど、4つの条件を満たした場合に、市町村の責任で発砲可能となります。
砂川市のハンター・池上さんは、発砲できるかどうかが自治体の判断になることについてー
(池上治男さん)「ノウハウや知識を(自治体に)伝えていくことが必要だし、やろうとすればできると思う。自治体の人ができないかというとそんなことない。ちゃんとやってるから」
一方、緊迫した場面で即座に自治体や警察と連携することの難しさを指摘します。
(池上治男さん)「ここだと撃てる、ここだとだめだ、ハンターは普段から考えながらいろんな地域をまわったりしているので、事前にできることを普段からやっておいた方がいい」
クマの知識をさらに深めることが自治体などに求められる今回の法改正。
新たなクマ対策として注目されます。