「クマ殺し」駆除で相次ぐ非難…職員疲弊「ペットではない」町民は憤り 対応に苦慮する北海道
北海道福島町で7月、ハンターがクマ1頭を駆除したことを巡り、道には苦情が相次いでいて、その内容が明らかになりました。
中には職員に対する誹謗中傷などもあり、道は対応に苦慮しています。
(苦情)「クマ殺し。人間が駆除されるべき」
(苦情)「クマを殺すのはかわいそう。動物の命を何だと思っているのか」
(苦情)「ヒグマを絶滅させなさい。批判があったって大丈夫」
クマの駆除を巡る賛否の声。
これらは道に寄せられた意見のほんの一部です。
(山本記者)「いま大きな銃発音が鳴り響きました。住宅街に銃声が鳴り響きました」
福島町月崎では7月、ハンターが発砲し、体長2メートルほどのクマが1頭が駆除されました。
新聞配達中の50代の男性がクマに襲われ死亡し、その後もスーパーのごみ置き場が荒らされるなどの被害が出ていました。
苦情の中には道職員の人格などを否定する過激なものも…
(苦情)「お前らがクマの駆除をしっかりしないから、また人が殺されたじゃねーかよ」
(苦情)「仕事しないなら退職しなさいよ」
クマが駆除された後、道に寄せられた意見はおよそ120件。
その多くは道外からで、職員は対応に追われました。
(道ヒグマ対策室 森山寛史さん)「長い物では120分、2時間にわたって電話を続けられたり、中には感情的になって、説明してもなかなかご理解をいただけないご意見もありました。事故発生日も土曜日曜昼夜問わず業務に邁進していましたので、誹謗中傷に近いような意見を頂くと非常につらいところではあります」
こうした苦情に、福島町民は憤りを隠せません。
(町民)「クマの所に住んでいるわれわれにすれば考えられない。可愛いペットではないから」
(町民)「ちょっとね酷いと思いますよ。クマをかばうならクマの近くに掘っ立て小屋を建てて、住んでごらんと言いたくなりました」
また、鈴木知事もー
(鈴木直道知事)「2時間も何時間もご連絡をいただくのは(職員も)仕事になりません。命の危険を持ちながらもハンターの方が捕獲していただいている。このことをどうかご理解いただきたい」
道に相次ぐ苦情や意見。
クマの駆除への理解をどう広めていくのかが、今後の課題です。