老朽化進むもみじ台団地…建て替え計画も周辺住民「まさかここに高層住宅が」反対の声 札幌市厚別区
老朽化が進む札幌市厚別区のもみじ台団地について、市が検討する市営住宅の建て替え計画案をめぐり、周辺住民から「見直し」を求める声があがっています。
何が問題となっているのでしょうか。
札幌市厚別区のもみじ台団地。
146棟が立ち並び、およそ6700人が暮らしています。
もみじ台団地は高度経済成長期の人口増加に伴い、札幌市が開発した市営住宅です。
古いものは1971年に完成し、50年以上が経ちました。
建物は老朽化し、住民の高齢化や人口減少が課題となっています。
こうした状況から、市は団地の建て替えなど地域の活性化に向けたまちづくり計画を検討しています。
(反対する会 三浦英典代表)「ここがもみじ台東公園です」
公園のすぐそばの一軒家に住む三浦英典さん。
市が示した計画案の見直しを求めて「反対する会」の代表となりました。
(反対する会 三浦英典代表)「巨大な建物が建つということで、高さが8階建てです。まさかここに移るときに公園の中に高層住宅が建つとは想定していなかった」
市の計画案では、再開発の手始めとして団地に隣接するもみじ台東公園に新しく高層の市営住宅を3棟建てることになっています。
新しい市営住宅には対象地域の団地住民が入居し、元の場所は古い建物を取り壊し、市営住宅や義務教育学校、そして公園をつくる計画です。
公園に建てられる市営住宅のイメージ図です。
8階建てが検討されています。
三浦さんたちは市営住宅の建て替え自体には賛成ですが、地域の憩いの場が失われることに強い不安を感じているといいます。
(反対する会 三浦英典代表)「この公園がなくなることで日当たりが悪くなるし眺望も悪くなる。ここにある公園が気に入ってこの場所に住まいを求めて長年生活している」
11月12日、計画の見直しを求める三浦さんたちは、市議会に反対署名と陳情書を提出しました。
(反対する会 三浦英典代表)「(周辺住民の)みなさんの声や思いを届けることができてほっとしている」
21日に行われた検討会議。
市の担当者のほか、専門家や地元住民などで構成する委員会が、建て替え案などについて検討しました。
三浦さんも会議を見守ります。
委員からは市に対して、地元住民の意見に寄り添う対応を求める声が相次ぎました。
(札幌市地域計画課 勝見元暢調整担当課長)「市内部で意見を受け止めて地域の方々と丁寧に議論を進めたい」
(反対する会 三浦英典代表)「反対の声をあげている人を対象にきちんとした質問や説明会を開いてほしい」
市は2028年に団地の建て替え工事を予定していて、今後も計画案について住民と協議を続けたいとしています。