問合せは前年の約2倍「クマスプレー」撃退に有効なのは“カプサイシン” 効果が低い商品も…
8月に北海道・知床半島の羅臼岳で26歳の男性がクマに襲われ死亡した事故について、9月11日その検証結果が明らかになりました。
その中で、被害者はクマ撃退スプレーを持っていなかった可能性が高いことがわかりました。
9月11日午後3時から始まった知床ヒグマ対策連絡会議。
8月14日、知床半島の羅臼岳で登山客1人が襲われ死亡した事故について、11日の協議会では、被害時の状況・捕獲されたクマや再発防止策について発表がありました。
会議で明らかになったことは、まずは現場の状況です。
こちらは襲撃現場の写真、登山道を見下ろす獣道から撮られたものです。
被害者がいた登山道は幅が狭く、周りの見通しも悪い様子がわかります。
さらに明らかになった事は、被害者はクマスプレーを所持していなかった可能性が高いということです。
襲ってきたクマと同じ個体とみられる目撃情報は、2025年に入って30件以上寄せられていました。
そのため、爆竹などを使い、追い払いを繰り返していたそうです。
今回の事案について、検証は引き続き行われ、2025年度中にまとめる方針だという事です。
この羅臼岳に限らず、道内各地・そして全国各地でクマの出没や被害が相次いでいる中、クマに対する有効な対策が「クマスプレー」です。
しかし、販売されている中には、クマに効くか定かでない物も混ざっているという話があります。
そう話すのは鳥獣対策コンサルタントの石名坂豪さんです。
ヒト用の催涙スプレーが「クマ撃退にも有効」として販売されているケースもあるそうなんです。
有効なクマスプレーを見分けるにはどうしたらよいのでしょうか。
こちらでは通常6種類のスプレーを取り扱っていますが、その内2種類が売り切れていて、問合せ数も2024年に比べておよそ2倍に増えているといいます。
(秀岳荘白石店 山越統仁さん)「以前までは登山者や釣りをする方がメインだったが、最近はゴルフする方やキャンプする方が買っていく」
(北本アナウンサー)「店で推奨するクマスプレーの見分け方は?」
(秀岳荘白石店 山越統仁さん)「買う時に内容物が明記されているか(カプサイシン・カプサイシノイド)を確認する。世間一般のクマスプレーは1~2%が多い」
(北本アナウンサー)「価格はどれくらいの物が多いですか?」
(秀岳荘白石店 山越統仁さん)「だいたい1万円~2万円が多い。ネットでは内容物が表記されていなかったり、写真では大きく見えても届くと小さかったり、そういう商品が出回っていることが多いので、気を付けていただきたい」
質のいいクマスプレーを見分けるには、まず「カプサイシン」が入っているかどうかチェックしましょう。
本体にしっかりと成分表記されているものが良いということです。
そして、価格はだいたい1万円から2万円が多く、安すぎるものはクマへの効果が低い可能性があるのでご注意ください。