「あ、クマだと思って」住人と鉢合わせ…なぜ住宅に侵入したか 市街地へ出没する可能性も 対策は?
9月16日、北海道三笠市の住宅にクマが侵入し、住人と鉢合わせする事態になりました。
なぜクマは住宅に侵入したのか、そして対策はあるのでしょうか。
三笠市幾春別の公営住宅で午前10時40分ごろ、家の中にいた女性が室内でクマ1頭を目撃しました。
(住人)「いやびっくりしましたよ。イヌにしては違うし、あ、クマだと思って。ここに来て止まった」
当時、女性は室内に1人でいて、洗濯をしていたといいます。
突然侵入してきたクマに驚き、隣室に後ずさりしながら近くにあった掃除機を手に身構えたところ、クマは玄関から出ていったそうです。
現場は、三笠市の中心部から7キロほど離れた場所。
近くに家庭菜園もありましたが、記者が確認したところ、荒らされた形跡はありませんでした。
三笠市では17日になって現場周辺に箱わな1基を設置。
さらに、市の職員・警察・ハンターで周辺のパトロールを続けています。
今回なぜクマは家の中に入ってきたのか。
野生動物被害対策クリニック北海道の石名坂豪代表によると、可能性は2つあるといいます。
①すでに他の家の周りなどのゴミを食べ、エサへの執着心が警戒心を上回り、「家の中にもエサがあるのでは」と明確な意思を持って入ってきた可能性
②ガラスにうつった自分の姿に反応し、じゃれたり驚いたりした結果、ガラスを破って入ってきた可能性
今回若い個体の可能性もあり、若い個体同士でじゃれあったりする習性が確認されています。
2025年は札幌近郊などは、どんぐりなどの森の植物の生育が不調だといいます。
そのため、今後も市街地へ出没する可能性は大きいということです。
自宅・家庭菜園・農地にクマを寄せ付けない対策に有効なのは、電気柵の設置です。
自治体によっては貸し出しを行ったり補助金が出たりするところもあります。
札幌市でも貸し出しを行っていますが、美唄市では有害鳥獣侵入防止柵導入補助金制度があり、経費の2分の1以内・上限50万円までの補助金が出ます。
9月から受け付けを始め、12月末頃まで申請が可能です。