路線廃止に運賃値上げ「遅くまで仕事するとバスがない」利用者の不便と負担が増加 深刻な運転手不足 札幌市
北海道中央バスは4月1日からのダイヤ改正で440便を廃止・減便しました。
これに伴い、札幌市厚別区では住民が主導する代替バスの運行が始まりました。
真っ白なバスの前で喜びの表情を見せる人たち。
札幌市厚別区で運行が始まった「新・厚別ふれあい循環バス」です。
(厚別中央町内会連合会 田中昭夫会長)「一生懸命背中を押していただき、きょうの日を迎えられました。あらためてお礼申し上げます、ありがとうございます」
地元の町内会が主導して始まったバスの運行。
背景にあるのがー
(藤得記者)「バスの路線廃止の影響でしょうか、バスを待つ人の長い列ができています」
北海道中央バスは1日からのダイヤ改正で、平日1日あたり440便を廃止・または減便しました。
ジェイ・アール北海道バスは28便が廃止・または減便です。
背景にあるのは運転手不足です。
(利用者)「帰りのバスも結構減ったので、あまり遅くまで仕事するとバスがなくなるので困った。ここから家までのバスがないので歩いて帰らなければ」
JR厚別駅などをめぐる「厚別ふれあい循環線」も廃止の対象です。
3月31日夜、バス停を訪れるとー
職員が停留所に別のバス会社の名前が書かれたシールを貼っていました。
地元の町内会が観光バス会社に路線を引き継いでもらい「代替バス」を実現したのです。
市の交通支援制度を利用した取り組みで、実証運行となる今年度は、運航継続のために必要な1日200人の利用者がいるか調べることにしています。
(厚別中央町内会連合会 田中昭夫会長)「地域の足として根付いて、皆さんが安心して日々の生活が送れるのが大事なので、それが私たちの願い」
終電後のJR札幌駅では、作業員が券売機の上にある運賃標を張り替えていました。
JR北海道は1日から運賃を改定し、初乗り運賃を200円から210円に値上げしました。
札幌―新千歳間は80円値上げし1230円になります。
定期代は通学定期で平均10.5パーセント、通勤定期で平均22.5パーセントの値上げです。
路線の廃止に運賃の値上げ。
地域の足を直撃する変化で利用者の不便と負担が増す新年度の始まりとなりました。