愛する息子を失った家族「人生をささげていく」啓発活動に込めた願い 小4男児死亡事故から1年
札幌市豊平区で当時小学4年生の男の子が登校中にワゴン車にはねられて死亡した事故から、5月16日で1年です。
深い悲しみと向き合いながらも啓発活動などを続ける家族の思いとは。
16日朝、札幌市豊平区の交差点では、警察や地域の保護者など50人以上が集まり、子どもたちに交通安全を呼びかけました。
声をかけながら子どもたちを見守っているのは西田圭さんです。
1年前、この場所で三男の倖さんを失いました。
(西田倖さんの父親 西田圭さん)「きょうここに向かったのは7時20分ぐらいですよね。その時は息子は生きていたんだなっていうのはもう一度再確認した感じですかね。本当に不思議な気持ち」
2024年5月、登校中に横断歩道を渡っていた西田倖さん。
そこにワゴン車が突っ込み、腹部を強く打って亡くなりました。
当時、歩行者側の信号は青。
ルールを守っていた倖さんは、信号を無視したワゴン車にはねられたのです。
3兄弟の末っ子だった倖さん。
明るい性格のムードメーカーで友達も多かったといいます。
(西田倖さんの父親 西田圭さん)「1年たって、やっぱり変わったことは何もないというか、時間がたてばたつほど、息子を失った悲しみだとか苦しみだとか、あと守ってあげられなかったという後悔だとかっていうのはむしろ深まっている」
倖さんがいない日常を重ねなくてはいけない日々。
そのような中でも西田さんは、事故で家族を失う悲しさ・苦しさを味わう人をこれ以上生んではいけないと、事故から半年ほどたったころから講演活動などを続けています。
西田さんは5月、倖さんの遺骨を入れられる仏壇を買いました。
(西田倖さんの父親 西田圭さん)「顔を見られる方が妻もそうですけど、なんか一緒にいる感じがするのかなと思ってこういう形にしました」
倖さんの仏壇はリビングのどこにいても目に入る位置にあります。
これから先の生活も倖さんと一緒に時間を過ごしたいと考えています。
(西田倖さんの父親 西田圭さん)「来年も間違いなく同じことを思うし、今よりももっとつらくなっていると思うんですけど。倖と一緒に安全安心な社会をどう作っていくか。もう自分は人生を倖にささげていく、取り組んでいくっていうところが今自分でやりたいことかなと思っています」
1年前、愛する息子を失った家族は、今までもこれからも変わらぬ思いで事故に向き合い続けています。