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費用と工期…2案を議論 丘珠空港の滑走路延伸へ 利便性向上VS騒音問題の行方は 札幌市

札幌丘珠空港の滑走路について、現在の1500メートルから1800メートルに延長する案が国土交通省から提示されました。

滑走路が伸びることで今後どのような変化が起きるのでしょうか。

札幌市東区にある丘珠空港です。

10月15日も多くの人が空の旅に向け出発の準備をしていました。

丘珠空港は2024年度、初めて利用者が50万人を突破。

年々需要が高まる中、空港を巡る新たな動きがー

(長岡記者)「丘珠空港の滑走路は現在1500メートルですが、国交省は300メートル延長する案を示しています」

丘珠空港の滑走路は現在長さ1500メートルです。

国土交通省は今回、北西と南東にそれぞれ150メートルずつ伸ばす案と、北西に200メートル・南東に100メートルを伸ばす2つの案を初めて示しました。

丘珠空港の滑走路は距離が短いため、凍結する冬場はジェット機が着陸できず、プロペラ機の運航が中心となっています。

あわせて就航路線も小型の飛行機が飛ぶ地方空港のみです。

滑走路が延伸されれば航路拡大などが見込まれます。

(札幌丘珠空港ビル 菅原直樹総務部長)「(飛行機の)通年運航ができるというのが非常に大きなメリット。医療ジェットの通年就航もできる。重病患者を高度医療が整った札幌に移動できる」

悲願の滑走路延長に向け国も動き出した丘珠空港。

現在ターミナルビルの整備も計画されていて、今後、床面積は2倍ほどに拡張される見込みです。

また、これまで臨時の無料駐車場などが開設されていましたが、利用者拡大のため駐車場の拡張も検討されていて、より利便性の高い空港を目指しています。

(利用者)「長野・静岡・札幌限定じゃなくて冬季の間も行けるというのは札幌市民としてもありがたい」

(周辺住民)「便が少ないと思っていたので、便数が多くなれば家も近いので利用したいと思っています」

丘珠と名古屋間などを就航するフジドリームエアラインズの、2022年当時社長だった楠瀬俊一さんも以前、滑走路の延伸による通年運航に期待を示していました。

(フジドリームエアラインズ 楠瀬俊一さん)「物理的に1年中飛ばせるわけですから、他地域への就航の可能性も含めて検討の範囲には入ってくると思います」

国からの具体的な案が示された滑走路延伸。

一部の周辺住民からは騒音についての反対意見も出ていて、札幌市は今後、延伸への理解のために対応を続けていくということです。

先ほど国交省は有識者会議を開き、2つの延長案について話し合いました。

滑走路の両端を150メートル延長する場合は160億円の費用と最大4年の工期。

もう一方の案よりも安く短い工期で終えられることから、国は優位だと考えています。

(丘珠空港PI評価委員会 石井吉春委員長)「(延長にあたって)住民の本当に懸念しているところ、必要とされていることについて把握する。より合理的な案を整理していきたいと考えている」

国交省は札幌市が考える2030年の滑走路延長を視野に入れ今後進めていく方針で、市は2025年度中に市民や利用者などから意見を募り、案を絞るとしています。

10/16(木) 05:06

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