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引揚船の「乗船名簿」閲覧会 戦後強制退去の北方領土元島民が明らかに…洋上慰霊に合わせ実施へ 北海道根室市

北方領土から強制退去 引揚船の乗船者名簿公開 自分や家族の名前に涙する元島民たち(2025年5月26日配信)

千島歯舞居住者連盟根室支部は、洋上慰霊が実施される2025年7月20日から8月21日までの間、北方領土元島民が戦後、樺太から帰還した引揚船の乗船名簿の閲覧会を実施すると発表しました。

閲覧会は洋上慰霊の下船後に、根室市の千島会館で実施され、根室市内や近郊在住の元島民や親族と洋上慰霊参加者が対象です。

名簿には1947年7月~1948年10月までの、樺太の真岡から函館までの引揚船、延べ16隻に乗船した元島民約8800人分の氏名、在島時の住所、日付などが記載されています。

東京の国立公文書館で見つかった名簿を複写したもので、閲覧会は5月に札幌で実施されたのに続き、根室が2か所目です。

北方領土は1945年8月、日ソ中立条約に違反したソ連に侵攻され、9月にはすべて占領。

元島民の半数は自力で島を脱出しましたが、残りの人はソ連人との約2年間の共同生活後、樺太の収容所に強制退去させられ、1~3か月後に引揚船で帰還しました。

千島歯舞居住者連盟は、名簿の閲覧会で「島を追われた数々の苦難を乗り越えた家族に思いを馳せてもらい、四島の記憶の継承、後継者の育成など、今後の返還要求運動に寄与することが趣旨」としています。

07/10(木) 20:29

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