若きリーダーに未来託す 羊蹄山麓の水を守れるか 水源地問題で揺れるニセコ町
9月14日に北海道ニセコ町では町長選挙が行われ、新人の田中健人さんが初当選を果たしました。
町が抱える水源地を巡る問題について、田中さんは「町民の大切な水を全力で守りたい」と話しました。
羊蹄山麓の冷たい水でしめた「もりそば」。
「ダッタン」が練りこまれたそばは、そばの香りと程よい苦みを味わうことができます。
ニセコ町内のそば店には多くの客が足を運びます。
(客)「おそばがすごいコシがあって、そばの味があるというか、とってもおいしいです」
20年以上前に店を開業した橋本さんです。
(橋本博次さん)「これはニセコの水源地から来ている水ですね。(水は)不可欠。水がないとうちはやっていけないですから」
そば作りには欠かすことのできない水ですが、ニセコ町ではある問題が起きています。
羊蹄山の麓には、ニセコ町の人口およそ8割にあたる4000人の給水に欠かせない水源地があります。
ニセコ町が2013年に取得したはずの土地ですが、元の所有者から「無断で売買が行われた」と訴えられ、町は敗訴。
元所有者からはおよそ5億円で土地を売却するという和解案も示されましたが、協議はいまも平行線をたどっています。
14日、ニセコ町で行われた町長選挙には、町の未来を託そうとおよそ2500人の町民が1票を投じました。
(町民)「せっかくきれいな水だってみんな思っているし、安心して使えるようにしてほしい」
(町民)「(水が湧く場所は)町の財産として扱っていけるように取り決めした方がいい」
新人4人の戦いとなった、実に16年ぶりの選挙戦。
次期リーダーに選ばれたのは…
(藤得記者)「午後8時50分です。田中健人さんの事務所では当選確実と判断し、支援者のみなさんから割れんばかりの拍手が起きています」
無所属の新人・田中健人さん34歳です。
現職の片山健也町長からバトンを引き継ぎ、水源地を巡る問題にも力を注ぎたい考えです。
(田中健人さん)「まずは情報収集をして、町として何ができるか選択肢を模索していくというところから。ニセコ町民の大切な水ですので、そこは全力で守っていくという姿勢は変わらず持っていきたい」
若きリーダーとともに新たな歩みを始めたニセコ町。
水の資源をどう守るのか注目されます。