「腎臓からも出血」解剖医が証言 局所的に強く踏まれたか…腰椎の骨折も 主犯格の裁判 江別集団暴行
北海道江別市で2024年10月、男子大学生が男女6人から集団暴行をうけ死亡した事件の裁判が7月21日に開かれ、大学生を解剖した医師が証人として出廷しました。
強盗致死などの罪に問われているのは、主犯格とされる川口侑斗被告と当時17歳の少年です。
2人は2024年10月、江別市の公園で大学生の長谷知哉さんと交際していた八木原亜麻被告や川村葉音被告らと共謀し、長谷さんに暴行を加えて死亡させたうえ、現金やカードを奪うなどしたとされています。
21日は検察側の証拠調べが予定されていましたが、急きょ検察側から証人尋問の請求がありました。
裁判長は「本来やむを得ない事情がないとできないが、今回は事柄の重要性に鑑み、裁判官の裁量で証人尋問を行うことにします」として、長谷さんを解剖した医師の証人尋問が始まりました。
医師の証言から、暴行の回数や長谷さんの死に暴行が与えた影響などが明らかになりました。
検察側からの質問
<頭部について>
Q.頭部にはどれくらいの暴行があったと考える?
A.数十回以上非常に強い暴行を受けたと考えられます。
Q.具体的に何回程度?
A.30~40回以上と考えます。
Q.最も出血が多かったのはどこ?
A.頭部から顔面の部分。出血していないところがないくらい、全て出血しているような状態でした。
<背中について>
Q.背中も全体にわたって出血していた?
A.背中の上の方、左右の肩付近、皮下組織、筋肉内、腰の付近などから出血していた。特に腰の部分や腎臓からも出血が確認されました。腰椎の右横骨折も確認しています。
Q.腰椎骨折から考えられることは?
A.深い位置にありますので、局所的に強く踏まれる、蹴られるということがないと生じないと考えられます。
<全体について>
Q.出血の中で死因に関連しないものはある?
A.全ての出血が被害者を死に追いやっていると考えられます。
Q.他の部位についての具体的な暴行回数についてどう考える?
A.背中へは少なくとも10~20回以上は激しい打撃を受け、胸やお腹は10~20回以上、おしりは数回程度、腕は10~20回以上は受けていると考えます。
Q.被告人らから、暴行を100回以上やったという話が出てきているが、矛盾はあるか?
A.矛盾はないと考えます。
Q.午前1時の段階で救命行為があればどうなっていた?
A.十中八九、助かっただろうと思います。
弁護側からの質問
Q.6月1日の川村葉音被告らの裁判の証言であなたは、被害者の顔面への暴行は「数十回以上」と言っていた。なぜ今回になって30~40回と説明した?
A.数十回というと、20~50回を想像するが、今回の暴行が20回ということはないと思うので30~40回と言ったということです。
Q.右腎臓の損傷は滝沢被告のライダーキックだけで生じる可能性はある?
A.当たった部分にもよると思います。
Q.ライダーキックは2回行われているが、これにより脳が揺さぶられ、くも膜下出血が生じたことはありえる?
A.強く頭を打ち付けていればありえると思います。
裁判所からの質問
Q.川口被告の証言で「一番強かった暴行はライダーキック」という話が出ていたが、どう考える?
A.ライダーキックだけで死に至るとは考えていないです。
Q.ライダーキックは2回あったが、背中部分の損傷はそれだけで説明がつくものか?
A.2回の暴行だけでは全く説明つかないものになります。
Q.それ以外の打撃も関係している?
A.2回蹴っただけではできないほど、広範囲に損傷が認められました。
Q.顔面や頭部についても?
A.ライダーキックだけでは顔面にあんなに傷がつかないと考えます。
川口被告は医師を真っ直ぐ見つめながら話を聞いていて、医師が退廷する際も最後まで医師のほうに目を向けていました。
判決は8月7日に言い渡される予定です。
※STVでは今回の裁判の「特定少年」について、事件の重大さや社会的影響などを総合的に判断し、実名で報道しています。
