ホタテなど中国が輸入再開 国内販路拡大した水産会社「国内メインに海外輸出も」輸出リスク懸念の声も
【解説】ホタテの輸出実績 中国禁輸前と後を比べると… 輸出額200億円以上減少 東南アジアへ販路拡大
中国政府は6月29日、日本産水産物について、およそ2年ぶりに輸入を再開すると発表しました。
北海道内の漁業関係者からは歓迎の声が上がる一方で、現状を踏まえ慎重な声も聞かれました。
30日も港ではホタテの水揚げ作業が行われていました。
ホタテの産地・紋別市では、中国の水産物の輸入再開を受け、漁業関係者から歓迎の声が聞かれました。
(ホタテ漁師)「中国も買ってくれるんだったら高い値が付くとは思います。それなりに量も増えるだろうし期待します」
中国政府は福島第一原発の処理水の海洋放出を理由に、2023年8月から日本産水産物の輸入を全面的に禁止していました。
しかし29日夜、「海水の分析の結果、異常はなかった」として、「即時に輸入を再開する」と発表しました。
(進風 桶矢妃さん)「貝付きの冷凍のホタテです」
こうした中国の対応に翻弄されているのが、札幌の水産卸会社です。
中国の輸入禁止以前は、売り上げのおよそ9割が中国向けのホタテでしたが、この2年近く、国内の飲食店への販路拡大に力を入れてきました。
今後は中国に依存するのではなく、国内にもリスクを分散させる考えです。
(進風 桶矢妃さん)「(いまは)7割から8割は国内の飲食店に卸すような流れになっている。中国の輸出が始まったから国内をやめようかという話にはならないので。国内の飲食店をメインに輸出もできる限りやっていく」
中国による突然の海産物の輸入再開。
水産会社などでは新たな販路拡大も進んでいるほか、輸出のリスクを懸念する声もあり、ふたたび中国へ輸出量が回復するのか不透明な状況となっています。
06/30(月) 16:12