【注意】車に飛び乗ったクマ SNSで偽動画が大量拡散 見抜くポイントは“描写の矛盾”北海道
全国でクマの被害が相次いでいますが、いま、SNS上ではAIで生成されたクマの偽動画が拡散されています。
偽物と見抜くにはどうしたらいいのか、専門家に聞きました。
2025年11月6日、北海道日高の浦河町で撮影された映像です。
口をあけながら、車に突進する大きなクマ。
こちらに恐れるそぶりもみせない様子に、全国的にも話題となりました。
その後、ネットで拡散されていたのが…。
同じ浦河町で、車とクマが衝突したとする動画です。
一見、本物のクマのようにも見えますが実は、AIで生成された偽動画です。
よく見ると、AIの動画制作ツールのロゴが入っています。
(森永記者)「TikTokでクマと検索すると、このようにたくさんのクマの動画がでてきます。なかには生成AIで作られたとみられる偽動画も多くまぎれています。」
「こんにちはこれ食べる?」
SNS上では、女性が子グマにリンゴをあげている偽動画も。
クマに餌付けしてよいと、誤った知識を伝えかねません。
こちらは、秋田県でクマが車に飛び乗ったとする偽動画です。
いずれも、AIの動画制作ツールのロゴが入っていました。
こうした誤解や、誤った知識を与えかねないクマの偽動画が、いまSNS上で大量に拡散されています。
全国的にクマの出没や被害が相次いでいて、関心が高いことが背景にあるとみられています。
偽動画を見抜くためには、どうしたらいいのか。
(日本ファクトチェックセンター 古田大輔編集長)「生成AIの動画は、どんどん性能がよくなって、自然に本物のようにみえるものが増えている。苦手なのは細かい部分の描写。人の指の形状が不自然だったり、背景に映っている看板の文字が崩れている。閉まっていたドアが開いているとか、描写の矛盾があるので、細かく見れば気づける点はたくさんあります」
例えば、こちらのクマがスーパーの店内で暴れている偽動画は。
「よく見ると文字が日本語かどうかはっきりしない」
店内にある看板の文字が崩れていました。
しかし、近い将来、生成AI技術の進歩で簡単には見分けられなくなると専門家は指摘します。
(日本ファクトチェックセンター 古田大輔編集長)「遠くないうちに、人間の目では見分けられない制度の高い生成AIによる、ディープフェイクが出てきます。第一に心が得てほしいのは、そこに動画があっても画像があっても、音声があっても、それが本物かは限らないということを常に意識する。誰が発信をしているのか根拠だったり、関連情報を調べる。この3つを確認することを心がけてほしい」
全国でクマ被害が相次ぐなか、誤った認識や知識を植え付けかねない偽動画。
まずは本物かどうかを疑い、安易に拡散しないことが大切です。