【価格推移】

農林水産省が毎週まとめている全国のスーパー１０００店のコメ５キロあたりの販売価格です。

５月２６日に公表された５月１２日から１８日までの平均価格は４２８５円と、前の週より１７円上がり最高値を更新しました。

【競争入札と随意契約】

これまで政府備蓄米の売り渡しは、コメの価格が極端に下落しないように高値を提示した集荷業者が落札する「競争入札」だったため、値段が下がらないとの指摘がありました。

今回、打ち出されたのは「随意契約」による備蓄米の売り渡しです。

政府が予定価格を定めた上で事業者を選ぶため、「競争入札」より安い価格で流通できるとみられています。

【小泉農水相】

小泉農水相は「随意契約」で２０２２年産米２０万トン、２１２１年産米１０万トンを６０キロ平均１万１５５６円で大手小売業者に直接売り渡します。

集荷、卸売業者などの中間手続きを減らすことで、店頭価格は５キロ２１６０円程度になると見通しを示しました。

【専門家】

今回の「随意契約」による政府備蓄米の放出について専門家の見解です。

まず、大手小売業者しか「随意契約」ができない点について公平性が担保できるのか。

そして、小売業者に直接、玄米を売り渡すため精米などはどうするのか。

さらに、秋までに売るコメをすでに高値で買い、確保している卸売業者への補償はどうなるのか。

最も懸念されるのは、コメの価格が安くなり過ぎるとコメ農家への影響が出るではないかと課題を指摘しています。

２６日から「随意契約」での政府備蓄米の申し込みが始まったため、一部の店では早ければ６月上旬から５キロ２１６０円程度のコメが並ぶ見通しです。