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「一度閉ざされた販路」中国の輸入再開に準備進める“歓迎の声” 中国依存せずリスク分散を選ぶ会社も

【解説】ホタテの輸出実績 中国禁輸前と後を比べると… 輸出額200億円以上減少 東南アジアへ販路拡大

中国政府は6月29日、日本産水産物について、およそ2年ぶりに輸入を再開すると発表しました。

北海道内では歓迎の声が上がる一方で、輸出へのリスクを懸念する声も聞かれました。

(丸イ佐藤海産 伊勢健社長)「こちらが加工場です。こちらでホタテをむいています」

ホタテの産地・道東の別海町にある水産加工会社です。

中国の水産物の輸入再開を歓迎し、必要書類の提出など中国への輸出の準備を進めています。

(丸イ佐藤海産 伊勢健社長)「一度閉ざされた販路だったので、再開されて非常に喜ばしい。禁輸のときにいろんな客を新規に開拓したので、元に戻るかどうかは難しいかもしれないが、日本の水産物を待ってくれている中国の人がいると思うので、その需要に応えていきたい」

ホタテの水揚げ作業に追われる紋別市の漁師からも期待の声が聞かれました。

(ホタテ漁師)「中国も買ってくれるんだったら高い値が付くとは思います。それなりに量も増えるだろうし期待します」

中国政府は福島第一原発の処理水の海洋放出を理由に、2023年8月から日本産水産物の輸入を全面的に禁止していました。

しかし29日夜、「海水の分析の結果、異常はなかった」として、「即時に輸入を再開する」と発表しました。

(進風 桶矢妃さん)「貝付きの冷凍のホタテです」

札幌の水産卸会社は中国の対応に翻弄されてきました。

かつてはおよそ9割を中国向けに輸出していましたが、突然の中国の禁輸措置の影響で大幅に売り上げを落とし、この2年近く、国内の飲食店への販路拡大に力を入れてきました。

今後は中国に依存するのではなく、国内にもリスクを分散させる考えです。

(進風 桶矢妃さん)「(いまは)7割から8割は国内の飲食店に卸すような流れになっている。中国の輸出が始まったから国内をやめようかという話にはならないので。国内の飲食店をメインに輸出もできる限りやっていく」

鈴木知事も30日、「中国で輸入が再開になったが再停止はあってはならない。科学的根拠に基づくべきと言い続けなければならない」と語気を強めました。

中国による突然の海産物の輸入再開。

水産会社などでは新たな販路拡大も進んでいるほか、輸出のリスクを懸念する声もあり、ふたたび中国へ輸出量が回復するのか不透明な状況となっています。

07/01(火) 07:51

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