スーパー社長「喉から手が出るほど欲しい」 安価な備蓄米流通で反応さまざま 北海道
受け付けが始まった政府備蓄米の随意契約について、小泉農林水産相は5月27日朝の段階で、大手小売業者など19社から申し込みがあったと明らかにしました。
5キロ2160円になる見通しのコメの流通について、北海道内からは期待の一方、懸念の声も聞かれました。
(小泉農水相)「5月27日午前9時時点で計19社、数量でいいますと9万824トン」
政府は備蓄米について、予定価格を決めて事業者と契約を結ぶ「随意契約」を26日から始めていて、午前9時時点で大手小売業者など19社から計9万824トンの申し込みがあったということです。
牛丼チェーン「すき家」を展開する「ゼンショーホールディングス」や、日用品を販売する「アイリスオーヤマ」、ホームセンターの「カインズ」などが含まれています。
道内関連ではイオンがグループ一括で備蓄米およそ2万トンを調達し、6月初旬から全国の店舗で順次販売を開始すると発表しました。
また、コープさっぽろは随意契約に積極的に協力する方向で検討しています。
一方、アークスグループも随意契約に参加する方針です。
26日に発表された全国のスーパー1000店のコメ5キロあたりの平均価格は4285円と、最高値を更新しています。
釧路市内のスーパーです。
店頭ではコメ5キロ4000円前後で販売されていました。
小泉農水相は今回売り渡す備蓄米について、店頭価格は5キロ2160円程度になると見通しを示していて、店ではコメの消費拡大に期待を寄せています。
(あいちょう釧路 相澤長昇社長)「喉から手が出るほど欲しいです。絶対に売れるというのがわかっていますので。取引先などがいまがんばって交渉中だというのはお伺いしておりますので、それを見守っている状況です」
(買い物客)「やっぱり高いですね。2000円台を前はよく見たような気がして。(2160円程度に)なればうれしいですね」
こうしたなか…
(青柳記者)「食料品を寄付するコーナーです。コメは以前寄付の定番でしたが、最近ではほとんどみられなくなってしまったといいます」
家庭で眠る手つかずの食品を持ち寄り、必要としている人につなげる活動「フードドライブ」。
27日も札幌のチカホでイベント会場にボックスが設置されましたが、価格高騰の影響でコメの寄付は減少していて、今回の安い備蓄米の流通に期待をかけています。
(釜澤剛璽代表)「数年前はコメというのが寄付の中にはいつもあったんですけれども、この1年全くコメの寄付がないという状況になっています。3000円を切ってくると少しずつコメの寄付も発生してくるのではないか」
一方、JA北海道中央会は備蓄米を2000円台で販売することについて懸念を示しました。
(JA北海道中央会 樽井功会長)「適正価格があると思います。生産コストも肥料から農作業機なども高騰してきている中で。どうやってコストを下げていくのかというところもしっかりと努力しながら、少しでも消費者の皆さんに安いコメを届けられるように。やはり3000円」
期待と不安が混じる備蓄米の随意契約。
申し込みをした大手小売業者などには早ければ29日にも備蓄米が引き渡され、6月第1週には店頭に並ぶ見通しです。