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進むJR線区の廃止「政治の力が不可欠」単独で維持困難「黄線区」は維持すべき?各候補の政策…北海道

【候補者を見る】改選3議席の北海道選挙区に、12人が立候補

7月20日に迫る参議院選挙。

STVでは今回、JR北海道が単独で維持困難な線区・通称「黄線区」を維持すべきかどうかを12人の候補者に聞きました。

線区の廃止が進む中、地域交通の行く末を候補者はどのように考えているのでしょうか。

空知管内の深川市と沼田町を結ぶ、14.4キロの留萌線。

2026年3月いっぱいで廃止が決まっています。

(神奈川からの観光客)「結局人口が減っているから、今後もますます減るのかなと思う。残念だけどしょうがない。お金だってかかるから」

JR北海道は2016年、単独では維持困難な線区を発表。

2020年に札沼線の北海道医療大学ー新十津川間、2024年に根室線の富良野ー新得間が廃止となり、バス転換されました。

石狩沼田駅の目の前にある商店、経営するのは3代目の小泉清彦さんです。

バス転換で生活の足は確保されますが、今後も先行きは不安なままです。

(小泉清彦さん)「時代の流れというか、需要がなくなってきたのが大きい。地域の生活なりを考えた政治をしていただかなければ困る。過疎化の地域を立て直すとか、力を入れてもらわなければ困る」

JR北海道は、宗谷線や釧網線などの8線区・通称「黄線区」について、地元の負担を前提に存続を目指しています。

しかし、誰がどのように維持していくか議論は進展していません。

さらに、経営自立に向けて頼みの綱の北海道新幹線は2025年、札幌開業が2038年度末以降に遅れる見通しが示されました。

北大の山崎教授は、線区の維持には政治の力が不可欠だと指摘します。

(北海道大学公共政策大学院 山崎幹根教授)「どのように国を説得させるのか、ただ困っているからお金をよこせというだけでは、なかなかうまくいきません。JR北海道の経営改善、安全な列車の運行をどうやって確保していくのか、そうした会社にどうしていくのか各候補者が言及するかを見ていきたい」

JR北海道の黄線区について各候補の主張です。

▽自民党 高橋はるみ候補「(維持)適切な支援の下、維持策を模索したい」

▽参政党 田中義人候補「(維持)民営化を進めたのは国。安全保障の観点でも支えるべき」

▽日本保守党 小野寺秀候補「(維持)観光資源となりうる地域の宝。行政と民間で守っていくべき」

▽NHK党 後藤朋子候補「(廃止)鉄道ではなく車(バス)等に移行すべき」

▽日本共産党 宮内史織候補「(維持)通勤・通学・通院にとってかけがえのない役割を果たしている」

▽自民党 岩本剛人候補「(維持)交通・物流の中核として位置づけ、存続に向けて取り組む」

▽チームみらい 稲原宗能候補「(維持)交通インフラは生活の基盤。廃止する場合もバスなど手当ては必要」

▽国民民主党 鈴木雅貴候補「(維持)安全保障や物流の観点から鉄路の維持は不可欠」

▽立憲民主党 勝部賢志候補「(維持)国の責務を明確化し、国の支援を強化する」

▽日本維新の会オカダ美輪子候補「(維持)物流を担う重要なインフラ。国に財政支援を求める」

▽日本改革党 高杉保次候補「(どちらでもない)国家基盤として必要。軍事防衛用に活用したい」

▽れいわ新選組 野村パターソン和孝候補「(維持)乗客を増やす施策とあわせて、国による支援が欠かせない」

07/11(金) 19:03

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