不具合の認識は?天候悪化考えた?社長に被告人質問 “覚えていない”証言も 知床遊覧船沈没事故
北海道・知床沖で起きた遊覧船沈没事故の裁判で、運航会社の社長・桂田精一被告の被告人質問が行われました。
桂田被告は「条件付き運航の話が出たかは覚えていない」と証言しました。
(鷲見記者)「いま報道陣に向かって一礼をして釧路地裁に入っていきました。3日間の被告人質問で何を語るのでしょうか」
いつものようにマスク姿であらわれたのは、「知床遊覧船」の社長・桂田精一被告です。
法廷ではそのマスクを外すとー
(桂田被告)「取り返しのつかない事故と痛感し、どんな言葉も十分ではありませんが、あらためておわび申し上げます」
被告人質問は乗客家族に向けた謝罪から始まりました。
桂田被告は2022年、業務上の注意義務を怠り、知床沖で遊覧船を沈没させ、乗客乗員26人を死亡させたとされています。
裁判の最大の争点は「事故を予見できたかどうか」で、弁護側は無罪を主張しています。
午後から始まった弁護側の被告人質問。
桂田被告が事故について詳しく説明するのは、事故後の記者会見以来です。
当時の出航判断について問われるとー
(桂田被告)「午前中に戻ってくるという趣旨の話をした。船長も同様の判断。条件付き運航の話が出たかは覚えていない」
桂田被告は「条件付き運航の認識だった」としていますが、具体的な会話については「覚えていない」と証言しました。
しかし、事故直後の会見で桂田被告はこう述べています。
(桂田被告)「海が荒れれば引き返す条件付き運航ということを豊田氏と打ち合わせ、当時の出航を決定いたしました」
2日の法廷ではその記憶が揺らいでいました。
弁護側はこれまでの裁判で、ハッチに不具合がなければ帰港できたとして、事故を予見できなかったと訴える一方で、検察は悪天候が予想されていたため、事故を予見できたと主張しています。
(弁護士)「ハッチに不具合があったと聞いていたか?」
(桂田被告)「いいえ、報告は受けていません」
(弁護士)「(ハッチの)不具合があったと聞いていたらどうした?」
(桂田被告)「欠航にしていたと思う」
(弁護士)「浸水していると聞いて、天候悪化の影響を考えたか?」
(桂田被告)「考えなかった。海沿いの道を走っていて、(海が)荒れていなかったから」
2日の裁判を傍聴した乗客の家族はー
(乗客家族)「(桂田被告は)全面否定ですね。少しくらいは(過失を)認めてもらいたいと思う。こいつの何を信じたらいいのかという気持ちになっています。嘘偽りなくしゃべってほしいと思う」
3日は事故を予見できたとする検察の被告人質問が行われます。
今回の裁判の争点は事故を予見できたかどうかです。
検察側は悪天候が予想されていたため予見できたと主張。
弁護側はハッチの不具合がなければ帰港できたとして予見できなかったと主張しています。
今後の裁判のスケジュールです。
3月3日は検察側から桂田被告へ、4日は被害者家族から桂田被告への被告人質問が続きます。
そして、4月16日には検察側からの求刑、6月17日には判決が言い渡される予定です。
引き続き、3日・4日の質問に桂田被告が何を語るのか注目されます。