行政に相談なく4年間運営「赤ちゃんポスト」今月末で閉鎖へ 医師や看護師常駐せず道は自粛要請
議論を呼んでいた施設が閉鎖することになりました。
親が育てられない子どもを預かる、いわゆる「赤ちゃんポスト」を当別町で運営している女性が、4月末で施設を閉鎖することが分かりました。
その理由と背景を取材しました。
(坂本志麻さん)「赤ちゃんポストです。両親に向けて手紙を書きました」
小さな部屋に置かれた敷布団とぬいぐるみ。
案内するのは、当別町に住む坂本志麻さん51歳です。
親が育てられない乳幼児を匿名で受け入れる、いわゆる「赤ちゃんポスト」をおよそ4年間、当別町内の住宅で運営してきました。
(坂本志麻さん)「ことし4月末日をもって完全に閉鎖させていただきます。北海道庁が主導となり、SOSの受け皿となってくださるという信頼のもとで閉鎖をさせていただきます」
坂本さんが「赤ちゃんポスト」を当別町に開設したのは2022年5月。
(坂本志麻さん)「子どもの命を救い、親御さんの命を救い、そして幸せになってほしいという願いで開設した」
坂本さんは事前に行政に相談することなく独断で「赤ちゃんポスト」を設置しました。
(坂本志麻さん)「希少な先天性疾患を生まれ持っている。引き受け当時からミルクが規定量飲めない」
これまでおよそ4年間で、重い障害がある新生児を含む少なくとも6人の乳幼児を直接、親などから引き取り受け入れてきました。
しかしー
この「赤ちゃんポスト」は坂本さんが事実上1人で管理する施設で、医師や看護師は常駐せず、連携する医療機関もありませんでした。
道は、受け入れる母子の安全を保てないとして、これまで24回にわたり運営の自粛を求めてきました。
(坂本志麻さん)「医療提供に時間がかかる。いま命が消えそうな赤ちゃんが仮に来たら間に合わない。閉鎖の理由のひとつです」
相次ぐ乳幼児の遺棄・放置事件を受け、道は2022年12月に無料相談窓口を開設しました。
自治体による相談先が整備されたことも、閉鎖を決めた理由でした。
(坂本志麻さん)「(支援が必要な親子が)頼れる場を道が周知してくれるはずだと思うんです。そしたらここじゃなくてその窓口またはダイレクトに病院に行ける。タイムラグなく。その調整は私にはできない。道にはできる」
今回の閉鎖を受けて、運営の自粛を求めてきた道は…
(鈴木知事)「当別町が4月末で施設を廃止する旨の運営者の意向を確認したということで報告を受けたところです。道のにんしんSOSサポートセンターで助産師などの専門職が匿名で相談に応じているので、思いがけない妊娠などに悩んでいる方に継続して呼びかけを行っていく」
道は今後、坂本さんから閉鎖について詳しく話を聞くとともに、相談窓口の周知を進めたいとしています。