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体力仕事も笑顔で!人力車の女性に密着 本業はフォークリフトの運転手 明るさと根性で小樽のマチを駆け回る!

体力仕事でも笑顔がトレードマーク。

人力車を引く「車夫」として、観光地・小樽のマチを駆けまわる1人の女性がいます。

彼女が人力車に魅せられたそのわけとは?

小樽の観光名所を人力車で!女性車夫に密着

(工藤夏紀さん)「小樽運河の倉庫群です。大体築100年ぐらいですね」

工藤夏紀さん25歳。

人力車を引く車夫として、小樽の観光名所を案内して回ります。

(工藤夏紀さん)「昔銀行だったところです」

トレードマークは、持ち前の明るさとまぶしい笑顔!

夏の太陽にも負けません。

(工藤夏紀さん)「ルタオ・オルゴール・ガラスなんでもあります。ザンギもあります。ありがとうございました」

(九州からの観光客)「快適、気持ちいいし、彼女の会話が聞きやすいし」

(九州からの観光客)「降りたくなかったです」

(記者)「走って今の疲労度は?」

(工藤夏紀さん)「疲労よりも暑いですね」

真夏の暑さの中、小樽のマチを駆けまわる女性車夫に密着しました。

体力的に厳しい重労働でも…笑顔は絶やさず名所を案内!

(ミーティング)「8月31日日曜日よろしくお願いします」

人力車を運行する「えびす屋小樽店」です。

15人の車夫が働いていますが、女性は工藤さんただ一人。

(車夫)「なっちゃんは見ての通り笑顔」

(車夫)「小樽の太陽です」

(車夫)「必死に後ろから走ってくる姿は心を打たれます。僕も頑張ろうと思います」

全国から観光客が訪れる「おたる運河」。

ここが工藤さんの仕事場です。

(工藤夏紀さん)「ここから1,2,3とお願いします」

さっそく2人の男性客がやってきました。

(工藤夏紀さん)「持ち上がりますよ。よいしょ」

体力勝負となるのが人力車の仕事。

本体だけでおよそ80キロ。

男性2人を乗せると200キロは超えます。

時には駆け足で引くこともー

体力的にも厳しい重労働。

それでも笑顔を絶やさず、名所を案内します。

(工藤夏紀さん)「これも昔の銀行だったんですよ。こういうのを取り壊すお金がなかったおかげで今の街並みがあって。都会のままだと全部なかったと思います。運河があるだけに、運がよかったと思います」

運河周辺をめぐる30分のコースを案内すると、ご覧のように汗だくです。

(群馬からの観光客)「歴史とか詳しく説明してもらえたので面白かったです」

(群馬からの観光客)「生成AIで歴史の概略を学んだあとに歩いていたんですけど、それだけだと学べないことがたくさんありました」

そのあとも疲れを見せず、すいすいと走り続けます。

これまでに乗せた最も重い人はー?

(工藤夏紀さん)「人力車自体の耐荷重は300キロあります。150キロずつのカップルがいらっしゃって、300キロまでいけますといったら、ちょうどですと乗車された」

2024年の冬から人力車の仕事を始めた工藤さん。

実は、これが本職ではありません。

2つの仕事を掛け持ち 「もっと小樽の魅力を伝えたい」

石狩市内の物流倉庫です。

巧みなハンドルさばきでフォークリフトを操る工藤さんの姿がありました。

(工藤夏紀さん)「割合的にはフォークリフトの方が多いかもしれないですね」

そうなんです!工藤さんの本業はフォークリフトの運転手。

人力車から直行して夜に働く日もあるといいます。

(工藤夏紀さん)「かかるときは荷物が来なくて午前2時とかになります」

(記者)「体力すごくないですか?」

(工藤夏紀さん)「よく言われます!やればできます!やりましょう!」

なぜ、体を酷使してかけもちで仕事をするのかー

そこには地元・小樽への強い思いがあるからです。

(工藤夏紀さん)「慣れ親しんだ小樽で働きたかったのと、小樽が海も山もあってすごく好きなところだったっていうのもありますね」

小樽は2024年、800万人以上が訪れた道内有数の観光地。

一方で「通過型」の観光が課題となっていました。

(観光客)「小樽には泊まらない」

(観光客)「この辺の運河とかを見にいこうかと。そんなに長い時間はいない」

工藤さんは、もっと小樽の魅力を伝えたいと、人力車の車夫を始めたのです。

(工藤夏紀さん)「結構残念って思われることがあるんですよ。赤レンガ倉庫ないのみたいな。本当にがっかりされることも多いので、実はめちゃめちゃすごかったんですよみたいな。北海道の心臓と呼ばれたマチって言われているんですよみたいな。それを知っていただけたら」

「小樽が好き」辛くても頑張れるワケ

しかし、人力車の仕事は簡単ではありません。

運河で営業するのも車夫の役目。

1組案内するのに何十人・何百人と声をかける日もあるといいます。

(記者)「断られるのは辛くない?」

(工藤夏紀さん)「(心は)みんな折れています」

(記者)「なんで続けられる?」

(工藤夏紀さん)「えっなんでですかね。小樽が好きだから」

そんな工藤さんの思いはお客さんにも伝わっているようです。

(アンケート)「工藤さんの解説や巧みな運転により、新たな発見があり、改めてこの街の奥深さに魅了されました」

(アンケート)「とても明るく元気な方で、初めての北海道旅行の一番の思い出になりました」

辛くても頑張ることができるのは、小樽の良さを知ってもらえるから。

(工藤夏紀さん)「120年前の文房具屋さんです。今は雑貨屋さんになっています。ここがお店。 その方の家と倉庫。これで1軒です。でかいじゃないですか。 当時小樽はバブルだったので、これが普通だったそうですよ」

(東京からの観光客)「ガイドブックに載っていないことをたくさん教えていただいて、ありがとうございました」

(工藤夏紀さん)「(人力車は)やっぱりいろんなことを知れる。ただ観光に来て見て 食べてお土産買って帰るじゃなくて、もうちょっと深いところまで掘り下げて、その自分の来た観光地を知っていただけたりとか。そういう魅力がありますね」

(記者)「この仕事は好きですか?」

(工藤夏紀さん)「はい!」

持ち前の明るさと根性で人力車を引く工藤さん。

きょうも大好きな小樽のマチを駆け回ります。

09/20(土) 07:21

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