人の生活圏内に連日クマ出没 寺のカメラにその姿… ブドウ食べられる被害も 北海道
北海道芦別市では10月5日夜、国道を悠々と歩くクマが目撃されました。
4日には小樽市でハンター2人がクマに襲われる被害もでています。
中央線付近を悠々と歩く1頭のクマ。
車のライトに照らされていますが、恐れる様子は一切ありません。
5日午後7時過ぎ、芦別市北3条東1丁目の国道38号で、体長およそ1.5メートルのクマ1頭が目撃されました。
目撃されたのは小学校にもほど近い住宅街です。
警察によりますと、最初の目撃からおよそ20分間で付近ではクマの目撃が合わせて6件相次ぎました。
さらに、駆け付けた警察官もクマの姿を確認しています。
クマは住宅街を通り抜け、空知川のある草やぶの方へ立ち去ったということです。
すぐ近くには芦別小学校があり、6日は保護者の送迎で子どもたちは登下校しました。
クマによる人身事故も発生しています。
(長野記者)「ハンター2人が襲われたのは、畑の先にある草藪の中でした」
小樽市桃内1丁目の畑では4日午前9時ごろ、60代と70代の男性ハンター2人がクマに襲われました。
(畑の所有者)「シカに荒らされるから(わなを)かけてもらった。(ハンターから)とんでもないものがかかっているから畑に来ないでくださいと電話があった」
2人が襲われたのは畑の所有者に電話をした直後でした。
警察によりますと、2人はシカ用のわなにかかったクマを駆除するため発砲したところ、わなが外れて襲われたということです。
クマは体長1.8メートルほどのオスの個体で、わなが外れた後にハンターが再度発砲し、駆除しました。
襲われた2人は両ももから出血するなどのけがをして入院していますが、命に別条はないということです。
道内では人の生活圏内へのクマの出没が相次いでいます。
函館市鶴野町の寺に設置された防犯カメラには、何かを探すように庭をうろうろと歩く親子クマの姿が映っていました。
隣接する別の寺では、栽培していたブドウ30房がクマに食い荒らされる被害も。
住職は警察官と現場を確認した際、実際にクマの気配を感じたといいます。
(善寶寺 関大邦住職)「3メートル離れた草むらがガサガサいって、姿は見えないけどうなり声も聞こえた。警察がクマだと叫んでクマスプレーを構えて、私に「逃げてください」と合図をしたので下がった」
住宅街に畑にと、クマが人の生活圏内に現れる状況が全道各地で相次いでます。
人とクマとの境界線が揺らぐ今、より一層の警戒が必要です。