仕入れ価格2倍以上 水揚げ量減少でホタテ高騰 海外販路拡大も影響 ふるさと納税返礼品に危機
道産ホタテの価格高騰が止まりません。
鮮魚店の仕入れ価格は2倍以上となるなど影響が出ていますが、その要因は中国への輸出が事実上停止されたことではありませんでした。
肉厚で口の中に甘みが広がる新鮮なホタテ。
普段の食卓に加え、年末に向けて購入する人も多いのではないでしょうかー
しかし、札幌市内の鮮魚店をのぞいてみると…
(長南記者)「札幌市西区の鮮魚店です。仕入れ値が高いため、生のホタテの貝柱はほとんど売られていません」
(客)「東京に子どもたちがいて、送ってあげると喜ばれるんでしょうけど、自分たちも食べられないから。手が出ないですよね」
贈答用として人気の高い冷凍ホタテも2024年より1000円以上高くなるなど、ホタテの価格が高騰していました。
仕入れ値は3年前と比べると2倍以上にー
この店では店頭価格を抑えるため身の小さなホタテを取り揃えるなど、対応を余儀なくされています。
(札幌鮮魚うおや 勝山徹一店主)「本当に困りますね。ホタテを入れたお寿司も減りましたし、お刺身もホタテを入れないことが多い」
価格高騰の要因は2つあります。
1つは、海外へのホタテの輸出が堅調なことです。
11月19日、中国政府が日本の水産物の輸入を事実上停止しました。
しかし、ホタテなどを扱う関連団体によりますと、中国の輸入停止の前から東南アジアやアメリカなどに販路が拡大していたということです。
そしてもう1つの要因は、夏の海水温上昇による生育不良で、2025年の水揚げ量が減少したことです。
この2つが重なったことで、結果的にホタテの取り合いとなり、価格高騰につながったということです。
こうした状況に危機感を募らせているのが紋別市です。
(紋別市ふるさと納税係 斉藤聖人係長)「寄付額の単価が上がってしまうと、なかなか選ばれなくなるという危機感があります」
ふるさと納税の返礼品として冷凍ホタテが人気の紋別市では、これまで1万円台だった1キロパックが2025年9月には2万円に。
さらに10月には2万4000円にまで高騰しました。
現在は、少量パックで寄付額をおさえたものや他の海産物とのセットで返礼品を増やす対策をとっているということです。
(紋別市ふるさと納税係 斉藤聖人係長)「(この状況が続くと)イクラやカニ、タコなどいろいろあるので、そちらにシフトしていく。ホタテに関しては水揚げ量が回復する見込みがなかなか難しいという話は聞いているので、数年続くのではないかと聞いている」
年末に向けて値下がる見込みのないホタテ。
家計への影響は大きくなりそうです。