「いまだに信じたくない」家族の時間は止まったまま…20人死亡6人行方不明 沈没事故から4年
4月23日午後1時すぎの北海道斜里町・ウトロ漁港です。
穏やかな海に向かって黙とうをささげる乗客の家族。
初めてこの時刻を「KAZUⅠ」が出航した港で迎えました。
(宝大さんの父親)「4年前のこの時刻に船が沈没したんだなと。いままでは建物の中(追悼式)で聞いていたけど、実際に出ていったウトロ港で聞くのは、状況が思い浮かんでくる」
2022年4月23日、知床沖で観光船「KAZUⅠ」が沈没しました。
この事故では乗客・乗員20人が死亡し、6人の行方がいまだわかっていません。
行方不明となっている小柳宝大さんです。
カンボジアの飲食店に勤務し、一時帰国した際に事故にあいました。
宝大さんの父親は23日、息子のリュックサックとダウンジャケットを身に付け、空港に到着しました。
(宝大さんの父親)「(息子に)会いに行けるという喜びで来ている。息子がいる海に向かって『来たよ』と言いたい」
この事故をめぐっては、運航会社の桂田精一社長が業務上過失致死の罪に問われていて、6月に判決が言い渡されます。
また、乗客の家族らがおよそ15億円の損害賠償を求める裁判も続いています。
町内の施設に設置された献花台には、運航会社の名前が書かれた花が供えられていました。
しかし、桂田社長名義の花はなく、2026年も本人が追悼式に姿を見せることはありませんでした。
あの日から乗客の家族の時間は止まったままだといいます。
(家族が行方不明の男性)「いまだに信じたくないという気持ちは持っているので、そのまま4年経ってしまっているという感じです」
(宝大さんの父親)「冷たいですよやっぱり」
当時もこの冷たい海に乗客らは投げ出されました。
(宝大さんの父親)「ここに飛び込めと言われても、普通飛び込めないですよ。それは痛い思いをして、みんな。残酷ですよ」
二度と同じ悲劇を繰り返さないためにー
宝大さんの父親は事故への思いを口にします。
(宝大さんの父親)「こういう事故はあってはならないから、こんな悲しい思いはみんなにしてもらいたくないから。そういう気持ちを持って、関係者の方はやってもらいたい」
大切な人を突然奪われた、あの事故から4年。
決して癒えることのない悲しみの中で、残された家族はことしも知床の海に思いを馳せます。