社長直轄の組織“安全監査室”発足へ「鉄道の安全を再構築する気概もって…」不祥事相次ぐJR北海道
安全管理上の不祥事が相次ぐJR北海道に対して出されている「改善指示」について、綿貫泰之社長は、具体的な再発防止策をまとめた報告書を北海道運輸局長に手渡しました。
安全管理強化の柱となるのが、7月1日に発足する「安全監査室」です。
6月30日朝、北海道運輸局を訪れたJR北海道の綿貫泰之社長。
JR北海道に対して出されている「改善指示」について、具体的な再発防止策をまとめた報告書を北海道運輸局長に手渡しました
JR北海道の保安体制を巡っては、2024年11月、砂川駅構内で貨物列車が接近しているのにも関わらず、保線作業員が線路に立ち入り、その後、虚偽の報告をするなどの安全管理上の不祥事が相次ぎ、北海道運輸局から2025年3月に改善指示を受けていました。
また、5月からの2年間は、継続的・集中的に保安監査を行う「強化型保安監査体制」が適用されていて、これは全国で初めてのことです。
(綿貫泰之社長)「安全は経営の根幹であるという認識のもと、愚直に安全性の向上に努めてまいります」
報告書に盛り込まれた安全管理強化の柱となるのが、1日に発足する安全監査室です。
社長直轄の組織で、社内ルールの実施状況をチェックする内部監査の役割を果たします。
(綿貫泰之社長)「鉄道の安全を再構築するという気概を持ってみなさんには任務に就いてもらいたい」
JR北海道では6月に入ってからも、列車が線路上に置き忘れた作業用の器具などに接触するなど安全管理上の事故がすでに4件起きていて、現場の社員らの安全意識への欠如が浮き彫りとなっています。
(JR北海道 川戸俊美安全監査室長)「措置並びに対策が着実に実行されているか確認するために、精力的に現場に入って第一線の社員と仕事と同行するとともに、ヒアリングを行って監査したい」
「安全」への意識を徹底し、利用者の信頼を取り戻すことができるのか。
厳しい目が向けられています。