高台に避難する住民「無我夢中でした」道路は多くの車で渋滞 休業する店も 北海道に津波警報
北海道の太平洋沿岸に引き続き津波警報が発表されています。
各地で津波が観測されていますが、きょうこれまでの動きをまとめました。
これはロシアの地元メディアによる映像です。
現地では3メートルから4メートルの津波が観測されたということです。
ロイター通信によりますと、ロシアの地元当局の話として、幼稚園の建物に被害が出ていると伝えています。
道内では午前8時37分に、釧路市など太平洋東部と太平洋西部に津波注意報が発表され、釧路市役所では数人が自主避難しました。
しかし、午前9時40分ごろ…
(防災無線)「津波警報が発表されました」
太平洋沿岸全域に津波警報が発表され、避難した人の緊張感も高まります。
(避難した人)「きょう仏壇の日なのでお坊さんが来る時間だったんですよ。でもお坊さんに連絡をしてきょうは中止ってここに来た」
道内ではこれまでに根室花咲で最大80センチ、浜中町霧多布港と十勝港で60センチ、えりも町で50センチの津波を観測しました。
(札幌管区気象台 丹藤英司調査官)「10時17分に第一波の到達を確認している。遠い場所で発生した地震による津波のため、津波が始まってから弱くなるまで半日から1日程度かかる場合が多いので、このあと長い時間にはなるが、津波警報が解除されるまで安全な場所から離れないようにお願いします」
津波警報の発表を受け、住民が高台に避難しました。
(東海林記者)「海側から陸の方に避難する車で道路は渋滞が発生しています」
函館市では高台へ向かう車の渋滞が発生しました。
(東海林記者)「湯の川温泉近くの高台です。付近の住民が続々と避難しています」
(避難してきた人)「いきなり警報が鳴って、すぐ逃げて来た」
(避難してきた人)「来るかもしれないので時間まではここにいようかなと」
室蘭市で午前10時半ごろに撮影された映像です。
高台に多くの車が集まり、住民が不安そうな表情で海の方を眺めていました。
(記者)「沙流川の河口付近は白く波がたっているのがわかります。ちょうど中州の手前あたり、海からの波がのぼっているのがわかります」
釧路市の新釧路川でも川が河口から上流に向かって逆流し、波がのぼっていく様子が見られました。
沿岸部全域に避難指示が出ている胆振のむかわ町では、消防署の屋上に100人以上が避難し、職員が非常食を配っていました。
日陰のところには人が集まり混雑している様子も…
(避難してきた人)「無我夢中でした。本当の最小限度のものだけ持って皆で歩いてきた」
(避難してきた人)「人もたくさんいるので安心は安心です」
また、津波が観測された広尾町の十勝港でも、港の近くに住んでいる住民や仕事をしている人などが高台に避難しました。
(住民)「みんな逃げて来ないとどうもなんないから、会社の車とか先にあげてあとはみんな逃げてくると」
根室の花咲港では津波警報の発表を受け、船が沖合いに避難するなど津波への警戒が続いています。
(阿部記者)「道庁の危機対策課では職員が情報収集を進めています」
白老町では60代の女性が避難中に転倒して軽傷を負いました。
また、函館市や苫小牧など道内の避難所では、体調不良や熱中症の疑いで少なくとも10人が病院に搬送されています。
津波警報の発表は長時間に及んでいます。
(松田カメラマン)「苫小牧市内の高台にある公園に向かう道は、避難する市民の車で長い車ができています」
苫小牧市内の高台にある公園の駐車場は、避難する人の車で溢れました。
なかにはこんな人も・・・
(避難した人)「歩いてきました。大変だなと思って、1人で歩いている人に声をかけて、3人で一緒になって来たんです」
(避難した人)「川があると怖いので、車も渋滞していたので歩いて(避難した)。階段を上がって来るのが大変でした」
(向山記者)「津波警報の影響で、こちらのスーパー、さらに奥のドラッグストアも休業になっています」
コープさっぽろでは午後4時現在、苫小牧市を含む道内16店舗が休業しました。
こうしたなか、休業を知らずに買い物に訪れる市民も・・・
(向山記者)「津波の警報でお店が閉まっているみたいなんですけれども」
(苫小牧市民)「あ、そうなんですか」
日高の浦河町では夕方になってから津波が観測されています。
気象庁によりますと、遠い場所で発生した地震による津波は弱くなるまで半日から1日程度かかる場合が多く、今後も警戒が必要です。