中国からの団体客ら次々と…「予想以上のキャンセル」輸出再開したばかりのホタテも…道内経済に懸念
「台湾有事」をめぐる高市首相の発言に対し、中国政府の対抗措置が止まりません。
渡航自粛の呼びかけに加えて、11月19日に通知されたのは水産物の輸入停止。
北海道内経済への影響も避けられそうにありません。
小樽市の堺町通りにある土産物店です。
利尻コンブやホタテ干し貝柱など、中国人観光客向けに高級乾物を取り揃えていますが、日中関係の冷え込みを不安視しています。
(利尻屋みのや 簑谷和臣さん)「まだ目立った変化はないんですが、どうなんだろうか…すごく不安を抱えています。一番多く観光客が来るのは中国系なので、冬の間その方たちが来ないとなると商店街や市にとっても大きなダメージ」
事の発端は、「台湾有事」について「存立危機事態」になりうるとの認識を示した高市首相の国会答弁。
中国政府は中国国民に対し、日本への渡航自粛を呼び掛けるなど対抗措置を続けています。
すでに影響は観光業を中心に出始めています。
(札幌エクセルホテル東急 鈴木和也支配人)「予想以上のキャンセルが来ているというか、これからボディブローのようにもしかしたらキャンセルが重なってくる可能性はある」
高層階からの眺望が自慢の札幌市中央区のホテルです。
11月14日以降、中国からの団体予約が2件、中国籍とみられる個人客からも予約のキャンセルが相次いでいるといいます。
(札幌エクセルホテル東急 鈴木和也支配人)「雪まつりもあるので中国人も多く来ていただいていましたので、これからどういう影響があるのか心配している」
さらに、中国政府は19日朝、日本産水産物の輸入を停止すると日本政府に通達。
日本から中国への水産物の輸出をめぐっては、2023年の福島第一原発の処理水放出以降停止されていましたが、11月5日、道産ホタテの輸出が再開したばかりでした。
冷凍ホタテを輸出する紋別市の事業者はー
(丸ウロコ三和水産 山崎和也社長)「あきらめに近いということになる。そういう相手だと思ってこれからは仕事を進めていかないといけない」
中国各地からの定期便が到着する新千歳空港。
(長南記者)「渡航自粛要請が出ているなかですが、中国本土から多くの人が訪れています」
19日も大きなスーツケースを持った中国人観光客の姿がありました。
(上海から来た人)「旅行については心配したが、ここは安全だと信じている。日本には何度も来ているから。日中の両国がより安全になることをみんな望んでいます」
一方で、中国の四川航空は2026年1月に再開予定だった新千歳空港と四川省成都を結ぶ路線の運航取りやめを決めていて、日中関係の悪化が背景にあるとみられています。
冷え込みが深まる日中関係。
道内でも影響の長期化が懸念されています。