「なんでクマ来た…」配達員死亡から5日 いまだ捕獲されず広がる不安 駆除体制に課題 福島町
北海道福島町で男性がクマに襲われ死亡した事故から5日が経過しましたが、いまだクマは捕獲されていません。
地元ではクマを呼び寄せないよう対策をとるなど、駆除体制の課題に直面しています。
次々と刈りとられていく生い茂った草。
(東海林記者)「マチの中にクマが隠れることができる場所を減らそうと草刈りも始まっています」
クマは茂みに隠れ移動する習性があることから、福島町は地元の建設業者などに委託し、草藪を刈りとる作業を始めました。
福島町では7月12日、新聞配達中の佐藤研樹さん52歳がクマに襲われ死亡しました。
佐藤さんが襲われる2日前には、住宅街の草むらを走り抜けていくクマや、住宅の庭に居座るクマの姿が目撃されています。
さらに、7月14日には福島町三岳のスーパーでゴミ置き場のドアが破壊され、ゴミが荒らされる被害も発生しています。
(山本記者)「町内ではパトカーがパトロールを続けています。そしてクマが出没した影響もあってか、町を歩く人の姿はほとんど見えません」
連日相次ぐクマ目撃や痕跡。
しかし、佐藤さんが襲われてから5日経過しましたが、いまだクマは捕獲されていません。
(防災無線)「こちらは防災福島です。前日からのごみ出しはクマをおびき寄せる原因となるため、生ごみに限らずすべてのゴミは回収日当日にごみ出しを行うようご協力お願いいたします」
住民が落ち着かない日々を過ごすなか、町は防災無線でごみ出しのルールを徹底するよう呼びかけています。
福島町に45年以上住む堀繁子さんも、この無線を不安な面持ちで聞いていました。
(堀繁子さん)「ゴミの処理は袋にいれて家に置いている、生ごみも。クマはおっかないですよ。毎日テレビを見れば『きょうも出た』と。なんでクマ来たんだろうね」
さらに、町は夜間にごみを出さないよう求めるチラシを住民に配布し、対策しています。
迅速な対応が求められる中、16日の会見で町長はー
(福島町 鳴海清春町長)「ご承知のとおり、選挙事務をかかえてなかなか人を割けない状況。われわれ手薄のところは、道の職員にこちらに入っていただいてお願いするかたち。防護柵でふさいで侵入を防ごうと。その手前に箱わなを設置して確保する。来週から少しずつ道の協力を得ながらやっていけるのではないか」
住民の命を守るため、一日も早く迅速な対策を講ずる必要があります。
これまでに北海道福島町で確認されているクマの痕跡や目撃情報です。
今のところ新たな目撃情報などは確認されていません。
7月12日午前3時ごろ、新聞配達中の佐藤研樹さんがクマに襲われ亡くなりました。
16日も午前1時半ごろ、佐藤さんが襲われた場所で、ドライバーが茂みの中に光る眼が見えたため確認したところ、クマ1頭を発見したということです。
また、16日午前2時ごろには月崎の住宅街で、クマとみられる動物の唸り声を住民が聞いています。
警察などはパトロールを強化し、警戒を呼び掛けています。