ラピダスやインバウンド効果か 千歳市や富良野市で地価上昇率が全国1位 地方では価格下落し二極化に
土地取引の目安となる「基準地価」が発表されました。
千歳市や富良野市で地価の上昇率が全国1位となった一方で、北海道内全体の住宅地の平均の価格変動率が5年ぶりに下がる結果となりました。
2027年度までに次世代半導体の量産化を目指す「ラピダス」。
工場のある千歳市は土地の価格「地価」が急上昇しています。
千歳市末広2丁目は商業地では上昇率31.4%と、全国で1番地価の上昇率が高い場所となりました。
商業地では千歳市内3地区が全国1位から3位を独占。
住宅地の地価上昇率でも全国2位と3位にランクインしました。
(藤得記者)「JR千歳駅のすぐそばではマンションの建設工事が進んでいます」
駅の近くでは、ラピダスの工事関係者やIT関連企業で働く人の住まいとなる賃貸物件のニーズが増えていて、商業地としての価値を引き上げているとみられます。
(住民)「千歳で家を建てようかなと思って探していたのもあったので、確かに高くなったなと」
(住民)「住んでいてとてもいいところなのですが、土地の価格が上がることで固定資産税は上がりますよね」
“第二のニセコ”として注目され、スキー場のふもとには外資系のホテルなどが立ち並ぶここは…
(林記者)「最も地価の上昇率が高かったのが、この富良野市北の峰町エリアでした」
地価の上昇率は27.1%。
住宅地としては全国で最も高い上昇率となりました。
インバウンドの増加が背景にありますが…
(住民)「ごみは増えるし、マナーは悪いし、住んでいる方としてはその方が困っています」
札幌市内に目を向けると、中島公園の北側・札幌市中央区南9条西3丁目エリアが、市内で最も高い地価上昇率となりました。
中島公園周辺では再開発が進んでいて、大規模な国際会議ができるМICEの建設計画なども発表されています。
一方で、道内全体の住宅地の平均の価格変動率は5年ぶりに下落。
建築費の高騰などで住宅の需要が減っていることが一つ背景にあると指摘します。
(北海道不動産鑑定士協会 横山幹人理事)「郊外に安いということで需要がいっていたんですけど、手が届かない水準になってきて、トータルで見るとマイナスになったということです」
道によると、ラピダスや観光需要の高まりで地価が上がる一方で、地方では土地の価格が下落し、二極化が進むということです。