札幌市の専門学校が、幼稚園教諭の免許取得に必要な試験で模範解答の持ち込みを認めていたことを告発した男性教員が、懲戒解雇されていたことが分かりました。

男性は札幌地裁に６月中に、解雇無効を求める仮処分を申し立てる方針です。

（懲戒解雇された元教員）「組織からとにかく排除したい。黙って指示に従う教師のみを組織に残しておきたいんだなと思いました」

こう話すのは、札幌市の専門学校を懲戒解雇された元教員の男性です。

男性は、専門学校の学生が幼稚園教諭の免許をとる際に必要な試験で横行していた問題を告発しました。

これが学生の答案用紙です。

記述式の問題を見てみると、多くの学生がほとんど同じ内容の解答をしています。

この学校では模範解答の持ち込みが許され、それを書き写すだけで単位が取得できる状況でした。

（懲戒解雇された元教員）「将来の日本の子どもたちが受ける教育のレベルをこれ以上引き下げないためにも必要な告発であったと考えています」

男性がこの問題を告発した後、学校法人から、資料を許可なく持ち出したことは就業規則に違反するとして５月に懲戒解雇されました。

（懲戒解雇された元教員）「労働契約法で認められる解雇ではない、不当解雇である」

男性は６月中に札幌地裁に、解雇無効を求める仮処分を申し立てる方針です。

法人側はＳＴＶの取材に対し「個人情報に関わるためコメントを差し控える」としています。