雪解け水で盛土崩壊か JR宗谷線で普通列車脱線 運輸安全委員会が調査へ 復旧に1週間以上か
北海道中川町でJR宗谷線の普通列車が脱線する事故がありました。
乗客はおらず、乗っていた運転士2人にけがはありませんでした。
復旧には1週間以上かかるとみられています。
レールから車輪が外れています。
線路を支える盛土が崩壊し、マクラギも浮いた状態に。
雪解け水でしょうか。
線路脇には水たまりも確認できます。
(JR北海道 島村昭志常務)「けさ、宗谷線の方で列車の脱線が発生しています。鋭意安全の再生に向けて取り組んでいる最中にこのような脱線事故を起こしてしまった。大変申し訳ございませんでした」
JR北海道は会見を開き、4月8日朝に道北の中川町で発生した脱線事故について説明しました。
脱線したのは、音威子府駅を稚内駅に向けて出発した1両編成の始発列車です。
午前6時45分ごろ、JR天塩中川駅と問寒別駅の間で、運転士から「列車が脱線した」との連絡が指令センターにありました。
この列車に乗客はおらず、乗っていた運転士2人にけがはありませんでした。
JR北海道によりますと、線路の盛土は長さおよそ46メートルにわたって崩壊していて、運転士はこの場所を通過した際に縦揺れを感じて非常停止し、点検したところ、車輪の3軸目と4軸目が脱線していたということです。
事故現場を目撃した人はー
(目撃した人)「ものすごい慌ただしい感じでした。列車の方にJRの職員さんがいて道路の側にもJRの職員さんがいて大声で現場の状況を伝えていました」
専門家によりますと、現場の状況から盛土の崩壊は、雪解け水の影響が考えられるということです。
(北見工業大学 白川龍生准教授)「雪解け水が盛土内に浸透したことによる土砂災害ではないかなと考えています。3月から5月にかけて平均気温がプラスになりますので、北海道は融雪期に入ることになります。融雪に伴う土砂災害が起こりやすい時期です」
事故現場は7日、最終列車が通過していることから、盛土の崩壊は7日夜から8日朝にかけて発生したとみられています。
国の運輸安全委員会は調査官2人を派遣し、詳しい原因を調べることにしています。
この事故の影響で、音威子府から稚内までは終日運転を見合わせていて、宗谷線の特急6本と普通列車9本が運休になる予定です。
線路の復旧には1週間以上かかる見込みです。