45万戸…増え続ける空き家 最終手段の“代執行”開始する自治体も 実態把握が急務 北海道
全道でおよそ45万戸と増え続ける「空き家」が問題になっています。
とくに自治体は“所有者が放置した”空き家の対応に追われていて、実態の把握が急がれます。
(吉岡記者)「空き家の窓ガラスには危険の標識が貼られています。外壁を見てみると、今にも崩れそうなほど剥がれているのがわかります」
石狩市浜益区浜益で20年近く放置されていた空き家です。
天井は一部が剥がれ、山積みになったがれきも確認できます。
「崩れたら危険」そんな苦情が近隣住民から相次いでいたこの空き家に動きがー
(石狩市建設部 佐々木勇次課長)「全部除却について、石狩市が代執行を開始することを宣言します」
実施されたのは、行政が所有者に代わって強制的に空き家を取り壊す「代執行」です。
市はこれまで、所有者に解体・撤去するよう何度も指導や命令を行ってきましたが、所有者は応じませんでした。
いわば最終手段の「代執行」。
石狩市では初の実施です。
(近所の住民)「ちょっと怖いかもしれない。10年くらい前にはもう(所有者は)いなかったと思います」
本来所有者が自ら行うべき撤去。
その費用は一時的に税金から賄われます。
(石狩市建設部 佐々木勇次課長)「大切な市民の税金を使って一時的に負担している。(所有者からの)回収は行っていきます。現場では依然として対応が難しい事例が多く、更なる整備と運用の強化が必要と考えております」
道内の空き家は2023年の調査では45万2000戸にのぼります。
5年前と比べて7万戸以上増加し、中には所有者が分からないケースもあるなど、深刻な問題となっています。
そんな中、洞爺湖町で空き家を有効活用できないかという取り組みが始まりました。
(調査員)「大規模修繕が必要じゃない」
(調査員)「これ多分大規模じゃないよ」
町が室蘭工業大学と連携して行っていたのは、町内全ての空き家の実態調査です。
空き家の破損の状況などを専用の調査ツールに入力すると、「再利用できる建物」を把握できるといいます。
(室蘭工業大学 眞境名達哉教授)「より悪くなる前に次の手を打つ。次の借り手・買い手を見つけるのが理想の解決」
増え続ける空き家の問題。
自治体は解決に向けて対応に追われています。